2.研究成果の最近のブログ記事
出典:
sorae.jp(2008年2月28日 付)
記事:
神戸大学大学院理学研究科のパトリック・リカフィカ(Patryk Lykawka)博士研究員と向井正教授は2月18日、海王星より外側に、地球サイズの未知の天体が存在する可能性が高いという理論予測を発表した。
発表によると、この未知の天体は主に氷から形成され、直径は地球と同じ程度で、質量は地球の3割~7割。海王星の近くで誕生したが、円盤物質の摂動力によって移動し、現在は80AU(約120億km)以遠と仮定されている。
今回の理論予測は、太陽系外縁天体(TNOs)に着目し、太陽系の誕生から約40億年にわたる軌道進化をシミュレーションし、未知の天体の存在が仮定されたという。
なお、この成果はアメリカの「アストロノミカル・ジャーナル」4月号に掲載される予定となっている。
この未知の天体が惑星かどうかという議論は、今後の観測により、まず天体を確認してからである。
さらに、国際天文学連合が現在定めている太陽系の惑星ルール、つまり、太陽の周りを回り、十分大きな質量を持ち、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し、その軌道の近くで他の天体を掃き散らしてしまっている天体であることが確認されれば、惑星として認定される可能性が高いだろう。
コメント:
どんなシミュレーションで結果が出たのかは分からないですが、かなり高い精度で観測およびシミュレーションができるようになったということなんでしょうね。出典:
神戸新聞(2008年2月15日 付)
記事:
さまざまな組織に成長できる万能細胞の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、マウスの肝臓と胃粘膜の細胞からつくることに京都大の山中伸弥教授らが成功し、14日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。
iPS細胞の作製には、発がん性が否定できない特殊なウイルスを使うが、肝臓や胃からできたiPS細胞は、皮膚由来のiPS細胞よりがん化の危険が低いことが判明。細胞の種類や手法の工夫によってこのウイルスを使わない道も可能になりそうで、山中教授は「臨床応用に向けて前進した」と話している。
山中教授らは、これまで人やマウスの皮膚から作製に成功。今回は肝臓や胃粘膜の細胞に4種類の遺伝子をウイルスで組み込み、iPS細胞をつくった。
これらは皮膚由来のiPS細胞と比べると、ウイルスが細胞の染色体に入り込む個所が少なかった。またiPS細胞をマウスの受精卵に混ぜて成長させる実験で、皮膚由来のものは約4割に腫瘍ができたが、肝臓と胃のiPS細胞ではほとんどできなかった。
コメント:
ますますiPS細胞の実用化が近づいていますね
出典:
WIRED VISION(2008年2月12日 付)
記事:

Image: 書籍『 Biofuels: towards a greener and secure energy future 』(バイオ燃料:環境志向的で安全なエネルギーの未来に向けて)より
関連要素をすべて考慮に入れると、バイオ燃料が排出する温室効果ガスの量は化石燃料よりも多くなる――2月7日(米国時間)、『Science』誌ウェブサイトに掲載された2つの研究論文がこんな結論を下した。
これだけではない。かつて石油に代わるクリーンエネルギーとしてもてはやされた農作物由来の燃料が、環境問題を解決する特効薬ではないことを示唆する研究成果がこのところ増えている。
バイオ燃料は当初、非常に有望に思われた――植物を利用して車を走らせたり工場を稼働させたりする以上にクリーンな方法があるだろうか? しかし、初期の予測は細かい点の検討がやや不十分だった。こうした予測は、燃料となる作物を育て、収穫し、精製するのに必要なエネルギーを必ずしも考慮していなかったのだ。
何より重要なのは、燃料用作物を栽培するためには、温室効果ガスを大量に吸収してくれる植生を伐採して土地を開墾しなければならない――あるいは、既存の農地に燃料用作物を植える場合には、それまで育てていた食物用作物の栽培場所を確保するために新たな農地を開墾しなければならない――という点を考慮に入れていなかったことだ。
これらの要素を計算に入れると、バイオ燃料もそれほど有望とはいえなくなる。今回Science誌に発表されたうちの1つで、プリンストン大学で環境法を研究するTimothy Searchinger氏らがまとめた研究論文によると、化石燃料の代わりに、米国のバイオ燃料業界で人気の高いトウモロコシ由来のエタノールを使用した場合、今後30年間にわたって温室効果ガスの排出量が倍になるという。他の作物よりもはるかにエネルギー効率がよいとされるスイッチグラス[ロッキー山脈に自生する多年生植物]でも、温室効果ガスの排出量が50%増えるという。
一方、Science誌に発表された2つ目の論文の中で、自然保護団体『ネイチャー・コンサーバンシー』の研究者らは、バイオ燃料用の作物畑に変える際に出る二酸化炭素の量と、生産されたバイオ燃料の使用による二酸化炭素排出削減量が等しくなる時間を試算すると、何百年もかかる場合があると主張している[バイオ燃料のために新たに土地を開墾した場合、化石燃料をバイオ燃料に代替することで削減される二酸化炭素排出量の17から420倍の二酸化炭素が大気中に放出され、これを相殺するには数百年かかることもあるとしている]。
だが、明るい材料もある。ネイチャー・コンサーバンシーは、食物用作物が育たないやせた農地に植えられた多年生植物を使ってバイオ燃料を作る場合と、廃棄物バイオマスからバイオ燃料を作成する場合は有益だと指摘している。
どちらの研究も、農作物から燃料を作る際のエネルギー効率が改善される可能性を考慮に入れていないという難点はあるにせよ、2つの研究が指摘するバイオ燃料のデメリットはあまりに深刻なため、これらが導き出した結論まで即座に否定することは難しいだろう。
この2つの研究以前にも、バイオ燃料が環境に与えるダメージを指摘する調査結果(日本語版記事)が複数出ているが、政策立案者が今後こうした警告に注意を払うかどうかは、現時点では不明だ。
多くの国や農業関連企業はすでにバイオ燃料に巨額の投資を行なっており、現在も資本の投入が続いている。バイオ燃料は今や主流の燃料なのだ。
だが、これに反対する動きも大きくなりつつある。国際連合(UN)はバイオ燃料の持続可能性を評価する委員会を設置し、『New York Times』紙は、複数の著名な環境生物学者が、Bush大統領とNancy Pelosi米下院議長にバイオ燃料政策の見直しを迫っていると報じている。
現在開催を求めて市民運動が展開されている、科学に的を絞った大統領候補討論会『Science Debate 2008』が実現したあかつきには、大統領候補――特に、バイオ燃料の利用拡大を提唱しているBarack Obama候補――がこの問題について質問攻めにあうのをぜひ見てみたい。
Science誌に掲載された論文、「米国の農地におけるバイオ燃料用作物の栽培は、土地転用による温室効果ガスの排出量増加を招く」と「土地の開墾とバイオ燃料によって生じる炭素の負債」を参考にした。
[日本語版:ガリレオ-矢倉美登里/高橋朋子]
コメント:
アメリカの大統領選挙なども影響しているのでしょうね。出典:
Nikkei ONLINE(2008年2月11日 付)
記事:
細菌の全遺伝子を化学合成することに米国のJ・クレイグ・ベンター研究所(メリーランド州)が成功した。細胞などにこの遺伝子を入れれば分裂・増殖する「人工生命」を作れる可能性が高い。環境浄化に役立つ人工細菌などの開発につながると期待されるが、倫理的な議論も呼びそうだ。
25日に米科学誌サイエンス(電子版)に発表する。
化学的に合成したDNA(デオキシリボ核酸)の断片を遺伝子工学の技術でつなぎ合わせ、「マイコプラズマ」という細菌の一種の全遺伝子を作製した。「生命の設計図」である全遺伝子の合成が可能になったことで、人工生命の実現に向けた基本技術が出そろった。
コメント:
技術の進歩に対して国民的なコンセンサスが取れていないことが気になります。人工生命に対しての技術的なハードルは非常に低くなりつつあります。ただ、この技術の開発はすごいですね。
出典:
東京新聞(2008年2月 9日 付)
記事:
トウモロコシなどの穀物からバイオ燃料をつくるために森林や草地を切り開いて畑にすると、温室効果ガスの排出量が数十年から数百年にわたって増えて地球温暖化を促進するとの研究結果を、米国の二つの研究チームが八日までに米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
二酸化炭素(CO2)の排出削減につながるとして、世界中で温暖化対策の有力な柱に据えられるバイオ燃料だが、米ワシントン・ポスト紙によると、十人の科学者グループがこれらの研究結果をもとに、ブッシュ大統領や議会幹部に政策の見直しを求める書簡を提出した。
両チームとも、土地の新規開拓で焼き払われる樹木や、耕される土壌から長期間にわたって放出されるCO2を勘案したバイオ燃料と、同量の化石燃料とで、排出されるCO2量を比較した。
プリンストン大のチームによると、トウモロコシを原料にしたエタノールの場合、三十年間はバイオ燃料の方がガソリンより二倍近くのCO2を放出。ガソリンの排出量を上回るのは百六十七年間も続くことが分かった。土地を新規開拓せずに生産したエタノールを使えば、20%の削減になった。
また、ミネソタ大などのチームによると、インドネシアの泥炭地の森林をディーゼル燃料向けのアブラヤシ畑にすると四百二十三年間、ブラジルの熱帯雨林をディーゼル燃料用の大豆畑にすると三百十九年間、それぞれバイオ燃料の方が化石燃料よりも排出量が多いとの結果が出た。
コメント:
167年後の世界は大きく変わっているはずですので、論文が正しいとすれば、バイオ燃料はCo2による地球温暖化防止には貢献しないということですね
出典:
佐賀新聞(2008年2月 8日 付)
記事:
暗闇の中、ぼんやりと黄緑色に光る大豆の芽―。大豆の品種改良を研究テーマにしている佐賀大学農学部の穴井豊昭准教授(41)が、「光る大豆」の開発に国内で初めて成功した。大豆に蛍光タンパク質を注入する遺伝子組み換え技術を使った。発光クラゲの遺伝子を用いており、穴井准教授は「遺伝子研究に関心を持ってもらうきっかけにしたい」と話している。
南米原産のオワンクラゲは発光器官を持ち、緑色に光る性質がある。穴井准教授は、クラゲから取り出した「緑色蛍光タンパク質」の遺伝子を、大豆の胚(はい)の細胞に注入。青い光を当てると緑色に波長を変える性質を、種子や葉、茎など全体に持たせた。
これまでは、稲や植物のタバコを光らせた例はあるが、大豆の細胞は培養が難しく、国内では例がなかったという。
遺伝子組み換えの農産物をめぐっては、消費者の不安が根強いのが現状。光る大豆はデモンストレーションが目的で、穴井准教授は「農薬を使わず安全に害虫を駆除できたりと可能性がある研究。もっと知ってほしい」と話している。
コメント:
発光クラゲの遺伝子を植物である大豆に組み込んでも発光するんですね。驚きです
出典:
AFP BB News(2008年2月 5日 付)
記事:
遺伝子操作により風邪を引きやすいマウスの作製に成功したと、ロンドン大学インペリアル・カレッジ(Imperial College in London)の研究チームが4日の英医学誌ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)に発表した。せき、くしゃみ、ぜんそくなどの治療法開発への活用が期待される。
セバスチャン・ジョンストン(Sebastian Johnston)教授率いる研究チームは、通常はヒトやチンパンジーにしか感染しない大半の風邪の原因となる「ライノウイルス(Rhinoviruses)」に感染しやすいマウスを遺伝子操作によって作ることに成功した。これは、風邪のほか、ぜんそくや気管支炎など呼吸器官系の症状の新たな治療法の試験がしやすくなり、治療法の発見が早まる可能性を意味する。
ライノウイルスは50年前に発見されたが、マウスへの実験を行わない研究は難しいことが分かっている。1946年に英国でCommon Cold Unitが風邪の治療法を発見するため人体への実験を始めたが、問題解決に至らず1989年に解散した。
風邪の大半は細胞表面にある受容体分子にライノウイルスが付着したのを機に発症する。マウスの受容体分子はヒトのものとは若干異なるため、ライノウイルスは付着することはできない。今回、研究チームはウイルスを受容できるようにマウスの受容体分子をヒトのものに近いように作り替えた。
コメント:
マウスにとっては豪い迷惑なことですが、この技術が一般的に広まれば、治療薬の研究は進むことでしょう。
