2008年2月アーカイブ

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sorae.jp(2008年2月28日 付)

記事:

神戸大学大学院理学研究科のパトリック・リカフィカ(Patryk Lykawka)博士研究員と向井正教授は2月18日、海王星より外側に、地球サイズの未知の天体が存在する可能性が高いという理論予測を発表した。

発表によると、この未知の天体は主に氷から形成され、直径は地球と同じ程度で、質量は地球の3割~7割。海王星の近くで誕生したが、円盤物質の摂動力によって移動し、現在は80AU(約120億km)以遠と仮定されている。

今回の理論予測は、太陽系外縁天体(TNOs)に着目し、太陽系の誕生から約40億年にわたる軌道進化をシミュレーションし、未知の天体の存在が仮定されたという。

なお、この成果はアメリカの「アストロノミカル・ジャーナル」4月号に掲載される予定となっている。

この未知の天体が惑星かどうかという議論は、今後の観測により、まず天体を確認してからである。

さらに、国際天文学連合が現在定めている太陽系の惑星ルール、つまり、太陽の周りを回り、十分大きな質量を持ち、自己重力が固体に働く他の種々の力を上回って重力平衡形状(ほとんど球状の形)を有し、その軌道の近くで他の天体を掃き散らしてしまっている天体であることが確認されれば、惑星として認定される可能性が高いだろう。

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どんなシミュレーションで結果が出たのかは分からないですが、かなり高い精度で観測およびシミュレーションができるようになったということなんでしょうね。

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神戸新聞(2008年2月15日 付)

記事:

 文部科学省は15日、主要教科を中心に、授業時間数と学習内容を約30年ぶりに増やした小中学校などの学習指導要領改定案を発表した。1998年改定の現行指導要領で授業時間数、学習内容を減らして学力低下批判を受けた「ゆとり教育」路線を軌道修正した。

 焦点だった道徳は指導の充実を盛り込んだが、政府の教育再生会議が求めた教科化は見送った。各教科を通じて言語活動と伝統・文化の指導を重視、小学校で外国語活動を必修とした。学校週5日制は維持した。

 意見公募を経て3月末に告示する。小学校は2011年度、中学校は12年度に完全実施するが、09年度から移行措置期間に入り、算数・数学、理科の一部や道徳などを先行実施する。

 「基礎知識の習得が不十分」との中教審答申を受け、主要教科の授業時間数全体を約1割増やす一方で、現行指導要領で導入した「総合的な学習の時間」を削減、中学校の選択教科も廃止した。

 文科省は「授業時間数の増加ほど内容は増やしていない」と詰め込み教育への回帰を否定しているが、指導内容は小学国語が現行78項目から131項目に、算数が126項目から181項目になるなど、小中学校いずれも増加した。

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やることはいいですが、本当に遅いですね・・。


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神戸新聞(2008年2月15日 付)

記事:

 さまざまな組織に成長できる万能細胞の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を、マウスの肝臓と胃粘膜の細胞からつくることに京都大の山中伸弥教授らが成功し、14日付の米科学誌サイエンス電子版に発表した。

 iPS細胞の作製には、発がん性が否定できない特殊なウイルスを使うが、肝臓や胃からできたiPS細胞は、皮膚由来のiPS細胞よりがん化の危険が低いことが判明。細胞の種類や手法の工夫によってこのウイルスを使わない道も可能になりそうで、山中教授は「臨床応用に向けて前進した」と話している。

 山中教授らは、これまで人やマウスの皮膚から作製に成功。今回は肝臓や胃粘膜の細胞に4種類の遺伝子をウイルスで組み込み、iPS細胞をつくった。

 これらは皮膚由来のiPS細胞と比べると、ウイルスが細胞の染色体に入り込む個所が少なかった。またiPS細胞をマウスの受精卵に混ぜて成長させる実験で、皮膚由来のものは約4割に腫瘍ができたが、肝臓と胃のiPS細胞ではほとんどできなかった。

コメント:

ますますiPS細胞の実用化が近づいていますね


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時事通信社(2008年2月15日 付)

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 名古屋大が参加している国際共同観測チームが、太陽から銀河系のほぼ中央に向かって5000光年先にある、太陽系と似た構成の惑星系を発見し、15日付の米科学誌サイエンスに掲載した。この惑星系の主星(恒星)には2つの惑星がある。

 太陽系以外の「系外惑星」は過去に250個以上見つかっているが、主星からある程度離れた距離で複数発見されたのは珍しい。

 2つの惑星は岩石に覆われた地球型ではなく、水素やヘリウムで覆われた木星のようなガス型だが、伊藤好孝・名大太陽地球環境研究所教授は「地球型の存在は否定できない」と話している。

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光の速度で5000年先の話だそうです。。。


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くまにち.コム(2008年2月14日 付)

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 地球内部の高温高圧状態を再現した実験で、マントルに含まれる水分が従来の想定よりはるかに少ないとの分析結果を、岡山大地球物質科学研究センター(鳥取県)の芳野極研究員らがまとめ、17日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 含まれる水が少ないとマントルの粘性が高まって動きにくくなるため、マントル対流の仕組みを見直す必要も出てくる。芳野研究員は「従来の考え方と異なり、浅い部分に水があっても、深い所はカラカラに乾いているのでは」としている。

 芳野研究員らは、深さ410-660キロにあって流動するマントル遷移層に着目。含まれる2種類の鉱物を高温高圧にし、含水量を変えながら電気抵抗を計測したところ、含水量が多いと磁気嵐などを利用した観測値と一致せず、水をほとんど含まない場合は一致することを突き止めた。

 これまではプレートの沈み込みに伴い、海水などが地中深くまで引き込まれると考えられていた。再現実験とはいえ常識を覆す結果で、今後議論を呼びそうだ。

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科学って測定技術が変わっていくと今までの既存の概念が根本から覆されたりして面白いですよね。


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産経ニュース(2008年2月13日 付)

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中川翔子の明るさで、カタい科学の話もノリノリに 科学番組というと、難しい先端研究を伝えるために映像やイラストをふんだんに使って...と、テレビの独壇場と思いがち。ところが、異色の科学系ラジオ番組が登場、若者を中心に支持を獲得しつつある。パーソナリティーには大のSF好きで知られるオタク系アイドル、中川翔子を起用。理系学生に夢や悩みを語ってもらうなど、ラジオならではの趣向が人気の秘密だ。(草下健夫)

 この番組はニッポン放送の「中川翔子のG(ギザ)サイエンス!」(毎週土曜後9・30)。京セラがスポンサーとなり、科学雑誌「日経サイエンス」が研究室探しなどに協力している。

 番組では中川が「ギザ、スゴス」などおなじみの"ギザ語"を連発し、とかくカタくなりがちな科学ネタを元気いっぱいに明るく紹介。ゲストには毎回、大学の研究室から学生数人を招いている。

 ポイントは、科学系番組につきものの大学教授を登場させないところ。「格式張らず学生生活も語ってくれるので、共感を得やすいようだ」と同局の節丸雅矛(せつまるまさむ)編成部副部長は説明する。

 テレビとは異なり、実験風景や研究の様子は話でしか伝わらないが、節丸副部長は「むしろそこがミソ。絵がないから、学生の姿にスポットが当てられる」と強調する。

 電波が届かなくても自動で動く水中ロボットの研究を紹介した放送では、東大生3人が出演。「自分が作ったロボットに写真を撮らせ、海底版グーグルアースを完成させたい」と、口々に研究の苦労や夢を語った。

 番組は昨年10月にスタート以来、若者を中心にメールやはがきで続々と反響が届いている。「こうした反響を今後、番組内容にも反映していきたい」と節丸副部長は話している。

 テレビでは今、科学番組が大流行。タレントの安めぐみが登場するNHK教育「サイエンスZERO」、ビートたけし出演のフジテレビ「たけしのコマネチ大学数学科」、ローカル局でもテレビ神奈川「パペットマペットのサイエンスでしょ!?」...。いずれも芸能人を起用することで科学の垣根を低くしようと奮闘している。

 ところが、日本人の科学離れは深刻化する一方。経済協力開発機構(OECD)が一昨年実施した調査では、日本の高校1年生は平成15年の前回調査に比べ、数学的活用力が調査国中6位から10位に、科学的活用力も2位から6位に低下。科学への関心も日本はおおむね最低レベルにとどまった。ラジオ界の異色番組が科学離れに歯止めをかけるか-。

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一度聞いてみたいもんです。


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京都新聞(2008年2月12日 付)

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同事業は、子どもたちの理系科目離れが指摘される中、科学への興味関心を養う授業法や指導技術を研究してもらおうと、文部科学省所管の科学技術振興機構が全国各地の自治体を指定している。亀岡市教委は市内8小と2中をモデル校とし、高校や大学、企業と連携した学習の在り方などを研究してきた。

大会には、府内のほか、滋賀や石川、新潟などから小中学校教諭や教委職員ら約85人が参加。モデル校を代表して5つの小中学校の教諭と、連携授業を進めた亀岡高や市教育研究所の担当者が事例発表した。

大井小の教諭は、近隣の千代川小と大成中と合同で夏休みに開いた天体観望会の成果などを報告。「教諭の交流で指導のノウハウが共有できたほか、各校のPTAや地域住民とも連携でき、地域全体で理数が好きな子を育てる環境が生まれた」と紹介した。

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こういったノウハウを共有できる場があると良いですね


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徳島新聞Web(2008年2月12日 付)

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米司法省は11日、スペースシャトルなど航空宇宙開発に関連する機密を中国に渡す目的で盗んだスパイ行為の疑いで、米航空機大手ボーイングの元技術者(72)を逮捕したと発表した。

 逮捕されたのはカリフォルニア州在住の中国系米国人で、1973年から防衛・宇宙関連会社に勤務。この会社が96年にボーイングに買収された後は同社で働き、2003−06年には同社の請負業者として働いていた。

 司法省によると、元技術者はシャトルやC17輸送機、デルタ4ロケットに関する機密を中国に譲り渡すため取得したり、隠すなどしていた疑い。

 これとは別に、司法省は政府の機密書類を中国側に渡したスパイ行為の疑いで、国防総省の職員ら計3人をこの日逮捕した。

コメント:

国際的な技術スパイはまだまだなくなりそうにないですね。


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WIRED VISION(2008年2月12日 付)

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Image: 書籍『 Biofuels: towards a greener and secure energy future 』(バイオ燃料:環境志向的で安全なエネルギーの未来に向けて)より

関連要素をすべて考慮に入れると、バイオ燃料が排出する温室効果ガスの量は化石燃料よりも多くなる――2月7日(米国時間)、『Science』誌ウェブサイトに掲載された2つの研究論文がこんな結論を下した。

これだけではない。かつて石油に代わるクリーンエネルギーとしてもてはやされた農作物由来の燃料が、環境問題を解決する特効薬ではないことを示唆する研究成果がこのところ増えている。

バイオ燃料は当初、非常に有望に思われた――植物を利用して車を走らせたり工場を稼働させたりする以上にクリーンな方法があるだろうか? しかし、初期の予測は細かい点の検討がやや不十分だった。こうした予測は、燃料となる作物を育て、収穫し、精製するのに必要なエネルギーを必ずしも考慮していなかったのだ。

何より重要なのは、燃料用作物を栽培するためには、温室効果ガスを大量に吸収してくれる植生を伐採して土地を開墾しなければならない――あるいは、既存の農地に燃料用作物を植える場合には、それまで育てていた食物用作物の栽培場所を確保するために新たな農地を開墾しなければならない――という点を考慮に入れていなかったことだ。

これらの要素を計算に入れると、バイオ燃料もそれほど有望とはいえなくなる。今回Science誌に発表されたうちの1つで、プリンストン大学で環境法を研究するTimothy Searchinger氏らがまとめた研究論文によると、化石燃料の代わりに、米国のバイオ燃料業界で人気の高いトウモロコシ由来のエタノールを使用した場合、今後30年間にわたって温室効果ガスの排出量が倍になるという。他の作物よりもはるかにエネルギー効率がよいとされるスイッチグラス[ロッキー山脈に自生する多年生植物]でも、温室効果ガスの排出量が50%増えるという。

一方、Science誌に発表された2つ目の論文の中で、自然保護団体『ネイチャー・コンサーバンシー』の研究者らは、バイオ燃料用の作物畑に変える際に出る二酸化炭素の量と、生産されたバイオ燃料の使用による二酸化炭素排出削減量が等しくなる時間を試算すると、何百年もかかる場合があると主張している[バイオ燃料のために新たに土地を開墾した場合、化石燃料をバイオ燃料に代替することで削減される二酸化炭素排出量の17から420倍の二酸化炭素が大気中に放出され、これを相殺するには数百年かかることもあるとしている]。

だが、明るい材料もある。ネイチャー・コンサーバンシーは、食物用作物が育たないやせた農地に植えられた多年生植物を使ってバイオ燃料を作る場合と、廃棄物バイオマスからバイオ燃料を作成する場合は有益だと指摘している。

どちらの研究も、農作物から燃料を作る際のエネルギー効率が改善される可能性を考慮に入れていないという難点はあるにせよ、2つの研究が指摘するバイオ燃料のデメリットはあまりに深刻なため、これらが導き出した結論まで即座に否定することは難しいだろう。

この2つの研究以前にも、バイオ燃料が環境に与えるダメージを指摘する調査結果(日本語版記事)が複数出ているが、政策立案者が今後こうした警告に注意を払うかどうかは、現時点では不明だ。

多くの国や農業関連企業はすでにバイオ燃料に巨額の投資を行なっており、現在も資本の投入が続いている。バイオ燃料は今や主流の燃料なのだ。

だが、これに反対する動きも大きくなりつつある。国際連合(UN)はバイオ燃料の持続可能性を評価する委員会を設置し、『New York Times』紙は、複数の著名な環境生物学者が、Bush大統領とNancy Pelosi米下院議長にバイオ燃料政策の見直しを迫っていると報じている

現在開催を求めて市民運動が展開されている、科学に的を絞った大統領候補討論会『Science Debate 2008』が実現したあかつきには、大統領候補――特に、バイオ燃料の利用拡大を提唱しているBarack Obama候補――がこの問題について質問攻めにあうのをぜひ見てみたい。

Science誌に掲載された論文、「米国の農地におけるバイオ燃料用作物の栽培は、土地転用による温室効果ガスの排出量増加を招く」と「土地の開墾とバイオ燃料によって生じる炭素の負債」を参考にした。

[日本語版:ガリレオ-矢倉美登里/高橋朋子]

WIRED NEWS 原文(English)

コメント:

アメリカの大統領選挙なども影響しているのでしょうね。

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室蘭民報(2008年2月11日 付)

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おもしろ実験室は、子供たちの理科好きの心を引き出そう―と同社が平成7年に札幌で開設。9年から全道各地で教室を開催しており、白老で実施されるのは初めて。

同社社員で実験室講師を務める岡豊さんの指導の下、子供たちは豆電球と乾電池を使って明るさを調べたほか、はんだごてを握って電子オルガン作りにチャレンジ。回路図を見ながらリード線やトランジスタをはんだ付けし、電流の流れと音の出る仕組みを学んでいた。

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身近なものの仕組みの一端を感じることが出来ることは楽しいですよね。


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Nikkei ONLINE(2008年2月11日 付)

記事:

細菌の全遺伝子を化学合成することに米国のJ・クレイグ・ベンター研究所(メリーランド州)が成功した。細胞などにこの遺伝子を入れれば分裂・増殖する「人工生命」を作れる可能性が高い。環境浄化に役立つ人工細菌などの開発につながると期待されるが、倫理的な議論も呼びそうだ。

25日に米科学誌サイエンス(電子版)に発表する。

化学的に合成したDNA(デオキシリボ核酸)の断片を遺伝子工学の技術でつなぎ合わせ、「マイコプラズマ」という細菌の一種の全遺伝子を作製した。「生命の設計図」である全遺伝子の合成が可能になったことで、人工生命の実現に向けた基本技術が出そろった。

コメント:

技術の進歩に対して国民的なコンセンサスが取れていないことが気になります。人工生命に対しての技術的なハードルは非常に低くなりつつあります。ただ、この技術の開発はすごいですね。


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NHKオンライン(2008年2月11日 付)

記事:

この調査は民間のシンクタンク「ベネッセ教育研究開発センター」が、去年8月から9月にかけ、1人ですべての教科を受け持つ全国の公立小学校の教師、1872人を対象に行ったものです。調査では、国語と社会、算数、理科の各教科について、それぞれの指導が得意かどうかを尋ねました。その結果、「得意」、「どちらかというと得意」と答えた教師の割合が最も多かったのは算数で86%、ついで国語が60%、社会が46%となっていて、得意と答えた教師の割合が最も低かったのは理科の44%で、教師の半数が理科の指導を苦手と感じていることがわかりました。理科を苦手と感じる教師を経験年数ごとに見ますと▽5年目以下で39%、▽6年目~10年目で44%、▽11年目~20年目で42%、▽21年目~30年目では47%、▽31年目以上でも41%とほとんど差がなく、経験を積んでも自信につながらない、理科の指導の難しさがうかがえます。これについて、全国小学校理科研究協議会の会長で東京・北区滝野川小学校の林四郎校長は「小学校の教員の場合は大学で主に理科を学んでこない人が多く、理科に対して苦手意識をもつのは当然だと思う。まずは研修会をたくさん行い、みんな出てもらえるようにするとともに、理科支援員の配置など、校内でさまざまな配慮をして体制が組めるようにしていかないといけない」と話しています。

コメント:

「小学校の教員の場合は大学で主に理科を学んでこない・・・」とありますが、実際には高校でもあまり勉強していないのではないでしょうか。それにこれでは、理科が不得意な理由にはなっていない気が・・。


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知財情報局(2008年2月11日 付)

記事:

中部経済産業局が、研究者・技術者自ら、特許的な観点をもって戦略的な開発を進めるに必要な知識と、技術開発に役立つ特許情報の活用方法、解析手法の講義を行う全2回のセミナー。第1回の「特許情報を活用した知財創造の方法」では、特許情報を利用した効率的な発明手法TRIZ(トゥリーズ:発明的問題解決理論)の基礎を学び、第2回の「特許情報から見た発明の特許的評価」では、研究開発の早期段階でその有効性・有用性を特許情報を用いて、自己評価する能力を養う。

【日時】2月19日、26日(火) 13:30~16:30(講義2時間、演習1時間)
【場所】名古屋商工会議所 3階第1会議室
【参加費】無料(事前申込制)
【詳細】【中部知的財産戦略本部事業】~研究者・技術者対象知的財産セミナーを開催します!~

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日本は技術系の知財に関する技術者の考え方が遅れているといわれていますからね。


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学びタイムズ(2008年2月11日 付)

記事:

秋田大学付属鉱業博物館は4,000点以上もの資料を展示しており、鉱物・岩石・化石などの標本類の美しさを堪能できるほか、地下資源の開発・利用に関する資料など、さまざまなことを学ぶことができるという。

このたび同博物館では、市民にも身近に感じてもらおうと、来る2月12日(火)よりサイエンスボランティアの募集を始めるという。この取り組みは、平成7年より毎年行われており、今年度もボランティアとなった人には「生涯学習の一環として自身も学習を深めながら、博物館と市民を結ぶ架け橋」となるよう、博物館主催の学習会を行うという。初めての人や、科学に対して苦手意識があっても大丈夫ということだ。

<鉱業博物館ボランティア募集>
募集期間:2月12日(火)〜4月30日(水)

●問い合わせ
 鉱業博物館事務室  TEL:018-889-2461

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鉱物は正直あまり身近ではないので、参加すると興味沸くかもしれませんね。それにしても、科学に対して苦手意識を持っている人も対象にしているのはある意味すごいですね。


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JanJan(2008年2月10日 付)

記事:

 欧州委員会は、世界的な飢えを引き起こすのではないかとの懸念をよそに、バイオ燃料使用増加の目標を維持する決定を下した。

 1月23日に公開された気候変動と闘う将来的な行動計画の中で、EUの執行機関である欧州委員会は、以前に合意した2020年までに自動車その他の輸送モードに必要なエネルギーの10パーセントをバイオ燃料とする目標を維持すると発表した。

 この発表は、目標に対する非難集中にも拘わらず行われたもので、批判の声は欧州委員会の内部からも上がっている。開発支援担当のルイ・ミチェル・コミッショナーは今月初め、「先進国のエネルギー確保のために農耕地にバイオ燃料作物を植えると、途上国の伝統的農業に大きなリスクを与えることになる」と語った。

 また、欧州委員会の科学者達も、10パーセントのバイオ燃料使用で温室ガス効果を抑えることができるかどうかは疑問とする調査書を提出している。

 これに対しアンドリス・ピエバルクス・エネルギー担当コミッショナーは、「EUで使用されるバイオ燃料には、生態学的/社会的持続可能性を確保するための基準が適用される」「多様な動植物が生息している場所で生産された作物は燃料製造に使ってはならず、森林あるいは多量の炭素を含む土地でバイオ作物を栽培してはならない」と言う。

 これは、湿地あるいは泥炭地帯でのバイオ燃料生産は、気候変動を引き起こす主要ガスである二酸化炭素の大量放出に繋がるとの報告に従ったものである。

 ピエバルクス氏はまた、EUのバイオ政策で食料品の価格高騰が起こらないよう"保証する"として、「EUの政策により日用品が値上がりしたことが明らかになれば、断固とした措置を取る」と述べた。

 しかし、これらの約束も貧困緩和や環境保全に関わる活動家の危機感を払しょくすることはできなかった。

 オックスファムのスポークスマン、アレクサンダー・ウールコム氏は、「バイオ燃料は途上国の一部農家の収入増に繋がるかもしれないが、これが食糧生産に害をもたらしてはならない」と語っている。

 米農家が大豆をバイオ燃料に転用した方が利益になると判断したため大豆価格は記録的な価格高騰となり、インドネシアでは先週抗議の街頭デモが行われた。

 ウールコム氏はIPSに対し、「EUは非常に大胆な目標を掲げたが、実現のための方法は分かっていない。持続可能な方法による目標達成ができないのであれば、白紙に戻すべきだ」と語った。

 南アメリカの活動家は、「欧州委員会は、ヨーロッパの主要バイオ燃料材料であるヤシを栽培するため途上国の農家が土地を追われている現実から目をそらしている」と批判する。

 「アルゼンチンの地方を考える会」(Groupo de Reflexion Rural in Argentina)のステラ・セミノ氏は、「欧州委員会が提案した持続可能の基準には、大規模な水抽出、土地浸食、土地紛争、人権、労働問題といった要素が欠落している。更に、強制立ち退き、食糧価格高騰といったマクロ・レベルの影響に関する考慮もなされていない」と批判している。

 グリーンピースのフローケ・テイス氏は、作物問題は、燃料効率の悪い車への燃料提供ではなく電力・熱生産の観点から検討できるのではないかと述べ、10パーセント目標は"間違い"と主張する。

 欧州委員会計画の画期的な点は、風力、太陽といったクリーンで持続可能な資源からの電力生産量を増大するため、欧州委員会加盟27カ国それぞれに法的強制力を伴う目標設定を提案している点である。これは、2020年までにEUの温室ガス排出の20パーセント削減実現を目的とする。

 欧州委員会はまた、主要エネルギー消費国が排出する二酸化炭素量の上限を定めることを目的に3年前に設定された排出量取引制度(ETS)の規模拡大を提案している。

 大手電力会社の一部は、ETS割り当て免除により利益を得てきたが、2013年からは新たな計画に従い電力セクターの排出許可はすべて競売にかけられることとなった。しかし、他国が同様の気候変動対策を行っていないことから、国際競争力が弱いと思われる経済活動については競売からの除外を認める模様。

 欧州委員会のジョゼ・バローゾ委員長は、新計画実施コストはEUの国内総生産の0.5パーセントまたはEU市民1人当たり1週間のコストは、現在から2020年まで、約3ユーロ(4ドル)になると予測した。同措置を採用しない場合のコストは10倍になるという。同氏はまた、再生可能エネルギーの使用拡大は、独裁国あるいは政治紛争国から輸入する石油/天然ガスへの依存度軽減という大きなメリットがあると述べている。

 欧州議会メンバー(MEPs)は、新計画に概ね賛成している。

 同議会リベラル派のリーダー、グラハム・ワトソン氏は、同計画は、2004年に委員長に就任したバローゾ委員長がとった最も重要な行動であると語っている。(原文へ

翻訳=山口ひろみ(Diplomatt)/IPS Japan 山口響

コメント:

かなり偏った論調ですが、科学者の潮流としてはバイオ燃料に対する風当たりは強くなる方向に動きそうです

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OhMyNEWS(軸丸 靖子)(2008年2月10日 付)

記事:

男女の性差を考慮した医学・医療の研究を進め、病気の治療や予防・健康づくりに役立てようという「日本性差医学・医療学会」がこのほど設立され、9日に東京都内で第1回学術集会(会長=鄭忠和・鹿児島大学大学院教授)を開いた。

体の構造や特定の病気の発症リスクなどから、男女の体にさまざまな差があることは明らかだ。たとえば、急性心筋梗塞や狭心症の発症は男性では年齢とともに高くなり60歳代にピークを迎えるのに対し、女性ではそのピークは10年遅れの70歳代になる。また、同程度にコレステロール値が高い男女でも、心血管疾患の予防という観点からすると、女性は男性ほど降下薬を飲む必要はないといわれる。

だが、治療に使われる薬剤の有効性などは、実際は男性のみの臨床試験の結果で出されているのが現状だ。同学会はそうした男女の差を明らかにし、臨床に反映していくことを目指す。

第1回性差医学・医療学会に出席し、千葉県の施策について説明する堂本知事=2月9日、東京・港区のコクヨホール(撮影:軸丸靖子) 学会初日にあったシンポジウム「男女共同参画社会と病」では、パネリストの1人として2001年に全国で初めて女性専門外来を設置した千葉県の堂本暁子知事が登壇。

男性中心の医学・医療体制では、子宮内膜症や更年期障害といった女性特有の健康問題について研究がなかなか進まず、行政からの支援システムも得られにくいこと、また男性にも、中高年期のうつ病や自殺といった特有の問題があり、性差を考慮した行政支援が必要であることを説明した。

また別のシンポジウムでは、女性医学研究が進まない一因にもなっている女性医師や研究者の不足については、折からの医師不足問題と絡めて議論があり、24時間託児所や病児保育の整備、女性医師が育休中の代替要員の確保、復帰する際の研修など、必要な施策についてさまざまな意見が交わされた。

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女性研究者の不足の問題はいろいろな部分で影響を及ぼしているのですね


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東京新聞(2008年2月 9日 付)

記事:

トウモロコシなどの穀物からバイオ燃料をつくるために森林や草地を切り開いて畑にすると、温室効果ガスの排出量が数十年から数百年にわたって増えて地球温暖化を促進するとの研究結果を、米国の二つの研究チームが八日までに米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。

二酸化炭素(CO2)の排出削減につながるとして、世界中で温暖化対策の有力な柱に据えられるバイオ燃料だが、米ワシントン・ポスト紙によると、十人の科学者グループがこれらの研究結果をもとに、ブッシュ大統領や議会幹部に政策の見直しを求める書簡を提出した。

両チームとも、土地の新規開拓で焼き払われる樹木や、耕される土壌から長期間にわたって放出されるCO2を勘案したバイオ燃料と、同量の化石燃料とで、排出されるCO2量を比較した。

プリンストン大のチームによると、トウモロコシを原料にしたエタノールの場合、三十年間はバイオ燃料の方がガソリンより二倍近くのCO2を放出。ガソリンの排出量を上回るのは百六十七年間も続くことが分かった。土地を新規開拓せずに生産したエタノールを使えば、20%の削減になった。

また、ミネソタ大などのチームによると、インドネシアの泥炭地の森林をディーゼル燃料向けのアブラヤシ畑にすると四百二十三年間、ブラジルの熱帯雨林をディーゼル燃料用の大豆畑にすると三百十九年間、それぞれバイオ燃料の方が化石燃料よりも排出量が多いとの結果が出た。

コメント:

167年後の世界は大きく変わっているはずですので、論文が正しいとすれば、バイオ燃料はCo2による地球温暖化防止には貢献しないということですね


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MarkeZine(2008年2月 8日 付)

記事:

 学習指導要領や社会情勢の変化のなかで子どもたちの学力低下が懸念される今、多忙な教員は限られた時間をどのように使って子どもたちに接しているのか? ベネッセは5000人を超える教員を対象に調査を行った。

ベネッセコーポレーションのシンクタンク「Benesse教育研究開発センター」は、全国の公立小・中学校の教員3,981名と公立小・中学校の校長1,087名を対象に、「第4回学習指導基本調査」を実施。学習指導の実態と教員の意識を調査した。

 発表された資料によると、教員の教育観はこの10年で大きく変化しており、「得意な教科や領域の学力を伸ばすこと」より「不得意な教科や領域の学力をつけさせること」を重視する教員が増えるなど、子どもの個性や自主性を尊重する意識よりも、教員が中心になって学力を底上げしようという意識が高まっているという。

 「表現活動を取り入れた授業」「自分で調べることを取り入れた授業」といった、体験的な活動を行う授業を心がける教員の割合が2002年に比べて減少。小学校教員の94.0%が宿題を「毎日出す」と回答するなど、宿題を出す頻度や分量が増加している。また、家庭学習の時間を指導している教員の割合も増加している。

 授業で用いている学習方法を、国語・社会・算数・理科すべてを担当している小学3~6年生の教員にたずねたところ、「市販プリントを用いての学習」「市販テストの利用」がいずれの教科でも増加。市販テスト(業者テスト)の利用率は、国語・算数・理科で9割を超え、自作プリントを使った授業を心がけているという小学校教員の割合は10.6%にとどまっている。また、「コンピュータを使った学習」は、2002年の調査結果と比較すると、コンピュータを使った学習は、社会で58.1%から67.3%、理科で39.1%から48.3%と増える一方、国語で33.2%から30.4%、算数で26.3%から22.9%と減少。コンピュータの利用が効果的な教科について、試行錯誤の中から教員側がつかんだ答えがこのデータに反映されているようだ。

多忙な先生たちは1日をどう過ごしているのか?
 教員側の悩みとしては、「教材準備の時間が十分にとれない」「作成しなければならない事務書類が多い」「休日出勤や残業が多い」など、小・中学校ともに7割を超える教員が、忙しいことに悩んでいる。先生たちの日常生活の平均的な時間の過ごし方は以下のとおり。

※「学校にいる時間」は、8時15分を始業時刻と仮定して
出勤時刻の平均から退勤時刻の平均までの時間を計算したもの。
 教員が直接的な指導にあてる時間が限られている中、自宅で効果的な学習を行えるよう、宿題を出す頻度や家庭学習時間の指導を行う割合は高まっている。小学校の宿題を出す頻度は、98年調査では「毎日出す」は84.8%だったが、07年調査では94.0%に増加。中学校では「授業のたびに出す」が97年の15.5%から07年に25.6%に増加している。

 「確かな学力」を向上させるための政策が進められるなか、教員の教育観も大きく変化しており、授業や生活指導で大切にしていることとして教員があげたのは「どの子どもにも、できるだけ学力をつけさせること」が最も多く、小学校では91.8%、中学校では85.6%となっている。その一方で、学習指導要領改訂に向け、活用や探究など体験的な授業を心がける教員は減少、教員は多忙感を感じていると問題がある。教員配置や研修の充実、条件整備や資源配分など、学校環境の改善の重要性が今度はさらに増していきそうだ。

コメント:

学校の先生もかなり忙しいのですね


出典:

中日新聞(2008年2月 8日 付)

記事:

 豊田自動織機は7日、大府市江端町の技術技能ラーニングセンターで、29日から千葉県で開催される技能五輪全国大会に出場する選手の練習風景を公開した。

 大会は、原則23歳以下の青年技術者の技量を競うため年1回開かれている。同社は、主に工業高校の出身者で社内の技能専修学園(1年)を修了した社員から選抜し、競技専門に訓練している。2000年から大会に参加しているが、金メダル獲得が悲願。ことしは機械組立、旋盤などの5種目に11人を送り込む。

 この日は関係企業や高校の教師ら約130人が見学。選手は視線を浴びながら緊張した表情で、100分の1ミリまで加工の正確さを競った。とくに3回目の出場で、昨年銅メダルを受賞したメカトロニクス部門の横井祐二さん(22)、新美友紀子さん(22)のペアは、来場者の高い関心を集めた。

 課題は工場のラインのように、モーターや電子部品を組み合わせ、コンピューター制御でロボットを動かす仕組み。しかし、途中で不具合が見つかり、落ち込んだ様子。2人は「日ごろの知識の幅を問われた気がした。ミスを減らす対策をして本番に臨みたい」と話していた。

コメント:

100分の1ミリというレベルでの正確さってすごいですね。


出典:

佐賀新聞(2008年2月 8日 付)

記事:

 暗闇の中、ぼんやりと黄緑色に光る大豆の芽―。大豆の品種改良を研究テーマにしている佐賀大学農学部の穴井豊昭准教授(41)が、「光る大豆」の開発に国内で初めて成功した。大豆に蛍光タンパク質を注入する遺伝子組み換え技術を使った。発光クラゲの遺伝子を用いており、穴井准教授は「遺伝子研究に関心を持ってもらうきっかけにしたい」と話している。

 南米原産のオワンクラゲは発光器官を持ち、緑色に光る性質がある。穴井准教授は、クラゲから取り出した「緑色蛍光タンパク質」の遺伝子を、大豆の胚(はい)の細胞に注入。青い光を当てると緑色に波長を変える性質を、種子や葉、茎など全体に持たせた。

 これまでは、稲や植物のタバコを光らせた例はあるが、大豆の細胞は培養が難しく、国内では例がなかったという。

 遺伝子組み換えの農産物をめぐっては、消費者の不安が根強いのが現状。光る大豆はデモンストレーションが目的で、穴井准教授は「農薬を使わず安全に害虫を駆除できたりと可能性がある研究。もっと知ってほしい」と話している。

コメント:

発光クラゲの遺伝子を植物である大豆に組み込んでも発光するんですね。驚きです


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中国情報局(2008年2月 8日 付)

記事:

  広東省深セン市政府が、2008-2010年にかけて市内の大学や科学研究機構の優秀な科学者100人を選出するプロジェクト「深セン市人材ステーション-双百計画」を始めることが5日、明らかになった。新華社が伝えた。

  深セン市はこのプロジェクトのために科学研究開発資金から1億元を準備し、合計100人の科学者に1人当たり100万元を研究補助金として支給するとしている。

  08年の対象人数は50人で、学歴、年齢、戸籍などの制限はないが、深セン市の重点大学、科学研究機構などで正社員として3年以上勤務しており、プロジェクトマネージャー経験を有することが条件。実際には、世界の最先端領域や国際レベルに達する科学研究プロジェクトに携わる人材が対象になるとみられる。

  深セン市は現在、優秀な人材を確保するために「213人材工程」プロジェクトを進めており、数年をかけて全国的なリーダー人材を200人と地方レベルでの突出した専門人材1000人、将来が期待される若い優秀な人材3000人の育成を進めている。

コメント:

100万元は約1500万円だそうです。一人で割ると約15万円ですが、市のレベルでこのレベルで実施できるのですね。


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日本の論点PLUS(2008年2月 8日 付)

記事:

 大学受験シーズンの真っ最中である。これから国公立大学の2次試験と私立大学の一般入試がはじまるが、「厳しい受験戦争」という言葉はいっこうに聞こえてこない。"大学全入"の時代をむかえ、大学や学部さえ選ばなければ、誰でも大学に進学できるようになったからだ。すでに大学入学者の42.6%が一般入試を受けず、推薦入学や一芸入試などのAO(アドミッション・オフィス=入学試験事務局)入試で入学している。いまや大学がらみの競争といえば、もっぱら生き残りを賭けた大学間の"サバイバル戦"を指すようになったのである。

 受験戦争が影をひそめたことに加え、授業時間を大幅に削減した"ゆとり教育"の実施によって、日本の生徒は勉強をしなくなった。そのため、生徒の学力は著しく低下した。OECDの「生徒の学習到達度調査」(PISA)によれば、2000年調査では数学的な能力を計る「数学的リテラシー」が世界第1位だったが、03年は6位に、06年は10位に転落し、教育関係者に衝撃を与えた。さらに「総合読解力」は、この6年間で8位から15位に、「科学的リテラシー」は2位から6位に落ちるなど、全分野で順位を下げる結果を招いてしまったのである。

 学力の低下は、何をもたらすのか。英国「The Times」誌の別冊「THES」が07年11月に発表した『世界大学ランキング2007』によれば、日本の大学はベスト10に1校もランクされていない。1位のハーバード大学、2位のケンブリッジ大学など、10位までに米英の名門校がずらりと並ぶ。日本の大学で100位以内に留まっているのは、17位の東京大学、25位の京都大学、46位の大阪大学、90位の東京工業大学といった国立の4校にすぎない。200位以内の大学は、私立の慶応義塾大学(161位)と早稲田大学(180位)の2校を含め、わずか11校だった。このTHESランキングは04年に開始された。東大は、初回調査で14位だったが、その後3年連続で順位を下げた。06年にはアジアトップの座を14位の北京大学に明け渡し、19位にまで転落したのである。

THESランキングでは世界の大学を、研究力(研究者の評価40%、教員一人当たり論文引用数20%)、就職力(雇用者側の評価10%)、国際性(外国人教員比率5%、外国人学生比率5%)、教育力(教員数と学生数の比率20%)という観点から評価している。研究力に重点が置かれていることから、英語で論文を発表する国の大学が高く評価される傾向がある。アジアの大学には不利な面があるのだが、中国の上海交通大学が調査する『世界のトップ500大学』の調査でも、ベスト100のほとんどを米国の大学が占める結果となった。評価の基準は、ノーベル賞などを受賞した卒業生と教員数、「ネイチャー」「サイエンス」誌などへの掲載論文数、論文の被引用数などである。07年のトップ100をみると、20位の東大、22位の京大、67位の阪大など、日本の大学では国立大が6校しか入っていない。

日本の研究業績は、世界に遅れをとってきたわけではない。論文の占有率では、長らく米国に次いで2位を維持してきた。だが、論文がどれだけ引用されているかを表す「相対被引用比率」(被引用数の占有率を論文数の占有率で割ったもの)になると、米国、英国、ドイツ、フランスに次ぐ5位にすぎない。しかも中国とロシアが、猛烈な勢いで日本に迫っている。日本の研究者数も、すでに中国に抜かれ世界3位になった。中国では、膨大な科学技術予算を投じ、飛び級制度によるエリート教育を実施している。日本の大学が中国の大学に追い越されるのは、まさに時間の問題といえるだろう。

少子化が進むなかで、日本の各大学は研究機関の充実よりも、学生集めに躍起になっている。今後は、"大学全入"と"ゆとり教育"の影響が顕在化し、大学の国際競争力をさらに低下させるのはまちがいないだろう。

コメント:

日本の大学の低下は予想以上に起こっているのですね。同時に国内での格差も増しそうです。


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NikkeiBPNet(2008年2月 7日 付)

記事:

「日本の大学が産学連携を推進していくためには、大学に従来からの『教員』、『事務職』に加えて『専門職』という新しい職制を設けることが急務」。このような提言が、2008年1月28日~29日の2日間にわたって東京都港区で開催された国際特許流通セミナー2008(主催は独立行政法人工業所有権情報・研修館)のセッションA1「国際産学連携と知的財産マネージメント」で、聴講者である産学連携実務者の支持を集めた。産学連携が国内ばかりではなく諸外国も対象にするようになると、英文などによる共同研究契約などの法務業務が増え、これを担当する専門職が不可欠になるからだ。

この提言は、同セッションのモデレータを務めた東北大学大学院工学研究科教授の原山優子氏が「産学連携の国際化を進めるには何が課題か」という問いに、パネリストの九州大学理事・副学長の小寺山 亘氏と奈良先端科学技術大学院大学教授の久保浩三氏がそろって答えたものである。

大学が企業との共同研究を実施したり、その研究成果を特許などの知的財産として維持・管理していくためには、(1)共同研究の相手企業との共同研究契約の締結、(2)特許出願、(3)特許などの知的財産の技術移転契約、などのサポート業務が必須となる。中でも、産学連携に伴う契約内容を相手企業と交渉する調整業務には高度な専門能力が必要になる。今後諸外国の研究機関などと産学連携を推進するためには、各国の実情に通じ、これらのサポート業務を英語などの外国語によって実施できるといった一層高度な専門能力が求められる。

九州大学などの日本の有力な研究大学は、産学連携推進に必要な専門能力を持つ専門職人材を、企業などの知的財産部門の実務経験者や弁理士などを雇うことで、なんとか対応しているのが実情だ。国立大学は「教員職」と「事務職」の2つの職制で構成されている。産学連携を担当する専門職人材は、「事務職」か"テンポラリ職"などで雇用している。この"テンポラリ職"とは、文部科学省や経済産業省などが提供する競争的研究資金などで数年間雇用する職制だ。再任もある。

産学連携業務を担当する専門職人材を教員職として雇用するには、教育・研究実績が必要となる。企業の知的財産部門の実務担当者は必要条件を満たせないケースが多いため、教員職として雇用するにはハードルがある。事務職を産学連携担当者に育成するケースもあるが、大学の事務職は公務員型の"ゼネラリスト"として2~3年でローテーションするため、専門実務を学んでも数年後に別部門に異動してしまうという問題がある。

コメント:

大学全体での教授に対するサポートが必要なのですね。


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NikkeiBPNet(2008年2月 7日 付)

記事:

「日本の大学が産学連携を推進していくためには、大学に従来からの『教員』、『事務職』に加えて『専門職』という新しい職制を設けることが急務」。このような提言が、2008年1月28日~29日の2日間にわたって東京都港区で開催された国際特許流通セミナー2008(主催は独立行政法人工業所有権情報・研修館)のセッションA1「国際産学連携と知的財産マネージメント」で、聴講者である産学連携実務者の支持を集めた。産学連携が国内ばかりではなく諸外国も対象にするようになると、英文などによる共同研究契約などの法務業務が増え、これを担当する専門職が不可欠になるからだ。

この提言は、同セッションのモデレータを務めた東北大学大学院工学研究科教授の原山優子氏が「産学連携の国際化を進めるには何が課題か」という問いに、パネリストの九州大学理事・副学長の小寺山 亘氏と奈良先端科学技術大学院大学教授の久保浩三氏がそろって答えたものである。

大学が企業との共同研究を実施したり、その研究成果を特許などの知的財産として維持・管理していくためには、(1)共同研究の相手企業との共同研究契約の締結、(2)特許出願、(3)特許などの知的財産の技術移転契約、などのサポート業務が必須となる。中でも、産学連携に伴う契約内容を相手企業と交渉する調整業務には高度な専門能力が必要になる。今後諸外国の研究機関などと産学連携を推進するためには、各国の実情に通じ、これらのサポート業務を英語などの外国語によって実施できるといった一層高度な専門能力が求められる。

九州大学などの日本の有力な研究大学は、産学連携推進に必要な専門能力を持つ専門職人材を、企業などの知的財産部門の実務経験者や弁理士などを雇うことで、なんとか対応しているのが実情だ。国立大学は「教員職」と「事務職」の2つの職制で構成されている。産学連携を担当する専門職人材は、「事務職」か"テンポラリ職"などで雇用している。この"テンポラリ職"とは、文部科学省や経済産業省などが提供する競争的研究資金などで数年間雇用する職制だ。再任もある。

産学連携業務を担当する専門職人材を教員職として雇用するには、教育・研究実績が必要となる。企業の知的財産部門の実務担当者は必要条件を満たせないケースが多いため、教員職として雇用するにはハードルがある。事務職を産学連携担当者に育成するケースもあるが、大学の事務職は公務員型の"ゼネラリスト"として2~3年でローテーションするため、専門実務を学んでも数年後に別部門に異動してしまうという問題がある。

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大学全体での教授に対するサポートが必要なのですね。


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(2008年2月 7日 付)

記事:

「電気・電子・機械系の技術者が働いてみたい会社」の第1位はホンダ(本田技研工業、本田技術研究所)---。日経HRの調査でこんな意向が明らかになった。調査は、電気・電子・機械系の技術者を対象に2007年3月27日~同4月6日に実施、有効回答446件を集めた。この調査で、ホンダは142票を集めて「働いてみたい会社」の首位に立った。

昨年首位だったトヨタ自動車はわずかな差で2位。以下、キヤノン、ソニー、松下電器産業と続く。6位には携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」や据置型ゲーム機「Wii」の好調が続く任天堂が昨年8位から上昇した。部品メーカーのトップは業績好調の村田製作所で、昨年16位から大躍進の8位につけている

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(2008年2月 6日 付)

記事:

レーザー光の照射を受けて2万6000個のベリリウムイオンが発する超低温プラズマ。超低温の原子は、量子コンピューターや精巧な計測機器の作成に利用でき、さらにはビッグバンの謎を解く鍵になるかもしれない。

原子1つ1つを捕まえることができれば、それを使っていろいろなことができる。強力なコンピューターを作れるし、重力のほんのわずかの変化も探知できる。ビッグバンのモデリングもできる。

これこそまさに、超低温物理学の分野の研究者たちが取り組んでいることだ。この分野では、原子を絶対0度近くまで冷却し、動きを遅くすることで、その量子特性を利用できるようにしている。

「原子の動きをきわめて遅くできれば、それらを十分に制御できる。そして完全に停止させられれば、数々のとても面白いことが可能になる」と、バージニア大学のCharles Sackett准教授(物理学)は語る。

この現象は、Albert EinsteinとSatyendra Nath Boseによって1925年に予言されていたものだが、いわゆるボース=アインシュタイン凝縮(BEC)が実現されたのは今からわずか12年前だ。その後の短い年月で、研究はかなり進行した。

超低温の分子は、近い将来、量子スーパーコンピューター、きわめて精密な計測機器、ナビゲーション・システムのほか、初期宇宙のモデルの作成にも利用されるだろう。いずれも、通常お馴染みの物質の状態では実現不可能なものだ。

Sackett准教授をはじめ、超低温物理学の研究者らは、レーザー光の照射によって原子の速度を落としている。この方法は1995年にEric Cornell氏、Wolfgang Ketterle氏、Carl Wieman氏が先鞭をつけたもので、3氏はこの業績によって2001年にノーベル物理学賞を受賞している。

通常、原子は光の影響を受けないが、レーザー光を適切な波長に調整した場合のみ、光子と原子は交わり合う。

光子は1つや2つでは、それどころか、数百万個あったとしても、大した影響はもたらさない。原子は室温下では秒速数十万メートルという速さで運動しており、そこに光子を1つぶつけるのは、シカゴ大学のCheng Chin助教授(物理学)の言葉を借りるなら、勢いよく転がっているボウリングの球に卓球の球をぶつけるようなものだ。

だが、卓球の球でも十分な数をボウリングの球にぶつければ、速度を弱めることはできる。原子と光子についても同じことが当てはまる。エネルギーの高い状態から低い状態に移行するのに伴って、温度も大きく下がる。これが、「超低温」という呼び名の由来だ。

これらの研究には通常、周期表の左端の列にあるアルカリ金属を用いる。なぜなら、これらの原子では最外殻に電子が1つしかなく、狙いをつけるのが容易だからだ。そしてひとたび十分に冷たくなると、原子はもはや、高校の化学の教科書でたとえに使われるような、ビリヤードの球が無茶苦茶にぶつかり合うような状態ではなくなる。そうではなく、それぞれの原子の配置と動きが一致した、調和のとれた振る舞いを見せるようになる。

超低温下でのこのような均質性は、意外に思われるかもしれないが、ビッグバン直後の超高温下にも見られたと考えられている。ボース=アインシュタイン凝縮について研究することで、宇宙の起源についても理解を深められると、Chin助教授らは期待している。

「初めは均一の媒体が広がっていた。本来、いかなる構造もなかった。それがその後、あらゆる種類の構造が現れた。この複雑さは何に起因するのだろう?」とChin助教授は語る。

宇宙の起源となると、日常生活の必要性からはやや縁遠く感じられるかもしれないが、超低温物理学はさまざまな形で実際に役立てることができる。

原子を光と磁気の網の目によって捕え、量子の変化の状態を制御することで、Chin助教授は超低温の分子を量子コンピューター・プロセッサーの作成に利用しようとしている。このプロセッサーはバイナリーコードに基づく既存のコンピューター・チップより強力になるはずだ。

「従来の半導体では、ユーザーは配線(に乗った)ビットデータとやり取りを行なう。だが、われわれの研究では、このやり取りを光子に受け持たせる。将来のコンピューターは、数百の原子を真空状態の中で泳がせ、そのやり取りを光によって制御するというものになるかもしれない」とChin助教授は語る。

そして、これは決して美しいだけの夢ではない。世界に現存するどのスーパーコンピューターよりも、はるかに強力なものとなるはずだ。

量子コンピューティング実用化のためには、原子をよりよく制御する方法についての研究がまだまだ必要だ。それまでの間に、超低温の原子ですぐれた計測機器を作ることはできる。

原子に表れた変化をたどることで、磁場や重力場の強さをきめ細かく推測できる。これはSackett准教授の専門で、実用化されれば原油の探鉱に威力を発揮するはずだ。というのも、原油の埋蔵箇所では、一般的な地殻に比べて密度が低いために、わずかに重力が減少することが明らかになっているからだ。

超低温研究のもう1つの実際的な応用例としては、GPSによらないナビゲーション・システムが挙げられる。これには角度を小数第9位まで計算する必要があるが、超低温原子は地球の自転に基づいてこうした計測をやってのける。

要するに、超低温物理学の世界は今、活気づいている。しかも、大きな可能性が残されている分野だ。

「この分野は途方もない速さで進歩している。現在進行形で物事が起きている。10年前だったらこんなアイデアは、SFの世界のことだしか受け取られなかっただろう」と、マサチューセッツ工科大学(MIT)のVladan Vuletic准教授は語った。

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(2008年2月 6日 付)

記事:

日経エレクトロニクスの記者になって1ヵ月半が経ちました。エレクトロニクスに関わるさまざまな分野への取材を行い,WWWサイトへ記事を掲載しています。今まで自分が知らなかった分野を取材することも多く,エレクトロニクス分野の広さを感じます。記者として,伝えることの難しさと格闘している毎日です。

先日,フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンが開催した「第2回 電子工作キット製作コンテスト」の最終選考会を取材しました。このコンテストは,フリースケールの8ビット・マイコンを用いて作製した電子工作の中から優秀な作品を選出するというもの。今回が2回目の開催であり,全国からの応募があった41作品の中で,一次審査を通過した16作品の中から最優秀作品賞が選出されました(Tech On!関連記事)。

同社は,このコンテストを開催する目的として「ものづくりの楽しさを通して日本の科学技術力が維持向上することと,組み込み技術を学ぶ環境を提供すること」の2点を挙げています。背景には,いわゆる「理系離れ」が深刻化していることがあります。文部科学省の調査では工学部の志願者数が1992年度の66万7000人から2005年度は37万5000人とほぼ半減しています。

私自身を振り返ってみると理系に進もうと思ったのは,中学時代に流行っていた「F1」の影響が大きかった気がします。当時,技術的なことはほとんどわかりませんでしたが,F1を作る技術者になりたくて理系を選択したことを思い出します。実際は機械関係に進学しませんでしたが,新しいものへの純粋な興味が学生の進路に与える影響は大きいと思います。

実際,出品者の中に子供に対する教育目的で電子工作を趣味にしている方がいて,「子供たちに科学の楽しさを教えたい」と発言していたのが印象的です。出展者の多くが,見た目や操作上の楽しさを追求した作品を出品していました。

1点気になったことは,コンテストの出品者の年齢層が高く30代~40代の方が中心だったことです。前述したように,子供に科学の楽しさを教えている方はいますが,まだまだ若者への浸透度は低い気がします。せっかくなら,「大人向けの電子工作コンテストで小学生が優勝」といった見出しの記事を書きたいものです。

理系離れを食い止めるにはやはり,私自身が学生時代にF1に対して感じたような「あこがれ」の対象が必要でしょう。それはメーカーが開発するほかにありません。そして私自身,その楽しさを少しでも伝えていければと思います。

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AFP BB News(2008年2月 5日 付)

記事:

遺伝子操作により風邪を引きやすいマウスの作製に成功したと、ロンドン大学インペリアル・カレッジ(Imperial College in London)の研究チームが4日の英医学誌ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)に発表した。せき、くしゃみ、ぜんそくなどの治療法開発への活用が期待される。

セバスチャン・ジョンストン(Sebastian Johnston)教授率いる研究チームは、通常はヒトやチンパンジーにしか感染しない大半の風邪の原因となる「ライノウイルス(Rhinoviruses)」に感染しやすいマウスを遺伝子操作によって作ることに成功した。これは、風邪のほか、ぜんそくや気管支炎など呼吸器官系の症状の新たな治療法の試験がしやすくなり、治療法の発見が早まる可能性を意味する。

ライノウイルスは50年前に発見されたが、マウスへの実験を行わない研究は難しいことが分かっている。1946年に英国でCommon Cold Unitが風邪の治療法を発見するため人体への実験を始めたが、問題解決に至らず1989年に解散した。

風邪の大半は細胞表面にある受容体分子にライノウイルスが付着したのを機に発症する。マウスの受容体分子はヒトのものとは若干異なるため、ライノウイルスは付着することはできない。今回、研究チームはウイルスを受容できるようにマウスの受容体分子をヒトのものに近いように作り替えた。

コメント:

マウスにとっては豪い迷惑なことですが、この技術が一般的に広まれば、治療薬の研究は進むことでしょう。


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YOMIURI ONLINE(2008年2月 5日 付)

記事:

 東大教養学部の学生が先月28日、駒場キャンパス(東京都目黒区)で、舞台で理科実験を行う高校生向けのサイエンスショーに挑戦した。科学を社会に広めるには、どのような表現や工夫が必要かを、実体験で学ぶ授業だ。

 テーマは「空気は見えるか」。「心を動かす表現法―科学メディア・理科実験の研究」のゼミに参加する1、2年生中心の10人が、教授役、実験の指導を受ける研究員役、高校生役に分かれ、空気や気圧の仕組みを学んでいく形で進んだ。

 「大きな風船と小さな風船を前に投げると、どちらが遠くに届くのか」。教授役の学生が客席に問いかける。観客の多くは「小さい方」と予想。白衣を着た研究員役の学生が実際に風船を投げると、大きい風船の方が遠くへ届いた。

 「風船の届く距離は、空気抵抗以外の要因も関係するようだ」。空気を液体窒素で冷やして液体にしたり、空気の詰まったペットボトルをてんびんでつるしたりする実験で、空気に重さがあることを実感させ、大きな風船ほど空気の重さで遠くへ飛ぶ仕組みを説明する。約1時間のショーで、15の実験が披露された。

 ゼミを指導するのは科学教育の普及に努めるNPO法人「ガリレオ工房」理事長の滝川洋二氏と、林衛・東大客員准教授。滝川氏は2年前、高校教員から東大教養学部教養教育開発機構の客員教授に転身し、科学への興味を持たせる教育を研究している。

 サイエンスショーは、学生たちが半年間の研究の集大成として自ら提案した。

 子供たちの前で多くの実験を行ってきた滝川教授は「学生が舞台をやるのは大変だと予想していた」が、学生達は滝川教授の実験をベースにしつつ、高校生の興味を引くような脚本作りや、高校生レベルで必要な知識、実験の進行などを研究した。舞台から遠い席でも空気の重さの違いがわかるてんびんを作る作業に、学生1人が8時間を費やすなど、授業の時間以外でも実験装置や表現の工夫を重ねた。

 ショーの終盤では環境問題を取り上げ、大気中に二酸化炭素が増えて地球が温暖化していく仕組みを解説。大気中の二酸化炭素の濃度を「高度1万メートルまでの大気で地表に二酸化炭素がたまると、3・8メートルの高さになる」などの表現も独自に編み出した。

 滝川教授は「言葉をわかりやすくするだけでは不十分で、相手が『理解したい』と思うような疑問を提示することが大事。人間の知識や認識が、外からの情報でどう変わっていくのかを知ることも必要だ。学生たちは科学を伝える難しさを実感したと思う」と話す。

 また、「科学技術の安全性など市民が考えるべき問題も増えている。専門家と市民の橋渡しをする人材の育成が必要で、東大の教養学部が取り組む意義は大きい」としている。(宮崎敦)

コメント:

大学生が高校生の視点で科学の面白さを伝えるというのは非常に面白い取り組みですね。


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YOMIURI ONLINE(2008年2月 4日 付)

記事:

 2009年春に卒業する学生の就職活動が本番を迎え、理系の人材争奪が熱を帯びている。売り手市場の就職戦線を反映し、技術力をアピールしようと、リクルーターを大幅に増やす大手メーカーが目立つ。一方、大手企業の採用増のあおりを受ける中小企業を支えようと、親を巻き込み、地域ぐるみで人材を囲い込む動きもある。

■メーカー人気復活
理系の人材獲得が激しくなっている(京セラドーム大阪で2007年12月に行われた企業の合同説明会)=宇那木健一撮影 企業が理系の人材を求めているのは、団塊世代の定年退職に伴う技術の継承などが背景にある。

 ダイキン工業は「頭数でなく、優秀な人材が欲しい」(十河政則・取締役専務執行役員)と、リクルーターを前年の2倍の200人に増やした。さらに広告会社と組み、半年かけてテレビCMなどを使うイメージ戦略を練る。

 オムロンは3月末、理系学生向けに「ものづくり生産セミナー」を初めて開く予定だ。工場を見学してもらい、「技術力の高さを見せつける」(同社)。リクルーターも100人増の220人にする。

 シャープは2月中旬、初めて社外で就職セミナーを開く。大阪市内のホールを2日間借り切って複数のブースを設け、理系向けには技術がわかりやすいように事業分野ごとに仕事内容を紹介する。

 学生の反応はどうか。就職情報出版のダイヤモンド・ビッグアンドリードが07年に調べたランキングで、理系男子はシャープが10位から4位に上昇。理系女子でもソニーなどが人気を集め、「非メーカー人気」が変わりつつある。

■親にもアピール
 大手に優秀な人材を奪われかねないと、中小企業は危機感を強める。東大阪商工会議所(大阪府東大阪市)は、毎年5~6月ごろに合同企業説明会を開くが、参加学生が02年の420人をピークに減少。07年は会場の都合で開催日が半分の1日だったこともあり、115人に。

 こうした厳しい状況を踏まえ、東大阪市の大阪府立布施工科高校は、生徒の母親が地元中小企業で仕事を体験する「おかんデュアル」を行った。

 高卒理系も、売り手市場が続き、同校は08年春に就職する約140人に対し、700社を超える求人があった。ただ、親は子供に大手企業への就職を勧めがちだ。そこで「高い技術力がある地元企業を人材面で支える必要がある」(安村博文校長)との考えから06年に実施した。07年秋も母親らが中小企業を見学した。

■どう育てるか
 少子化や理科離れで、ものづくりにかかわる人材をどう育てるかは、教育、経済界を含めた課題だ。

 経済産業省と文部科学省が協力して、地元メーカーの経営者が高校生らに仕事の面白さを語るなどの取り組みを始めた。しかし「子供のころからのキャリア教育が必要で、中小企業の技術伝承の断絶を防ぐには遅すぎた」(大阪府)との声もある。白川功・兵庫県立大教授(大阪大名誉教授)は「教育現場の意識改革はもちろんだが、企業は技術者を能力別に処遇するなど、努力が報われる仕組みを整えることが理系人材の増加につながる」と指摘している。

コメント:

採用するときは熱心ですが、一度囲い込んであまり市場価値が出ない技術者を多く作って囲い込むという循環は止めていかなければならないですね。


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