2008年1月アーカイブ

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Nikkei NET(2008年1月17日 付)

記事:

 【パリ=古谷茂久】遺伝子組み換え作物の安全性を評価するフランス政府の諮問機関は同国内で栽培されている組み換えトウモロコシについて「(生態系への影響などに)深刻な疑いがある」との報告書をまとめた。ボルロー環境相は「至急、対策をとる」と述べた。世界有数の農業国が組み換え作物の栽培禁止に踏み切れば他国の農業政策に影響を与える。

 仏国内で栽培されている組み換え作物は現在、トウモロコシだけで、昨年の作付面積は約2万2000ヘクタール。報告書はこのトウモロコシに組み込まれた遺伝子が自然界に広まり「動植物や土壌の微生物に悪影響を及ぼす恐れがある」と指摘した。政府は2月から組み換え作物全体を規制する新法の制定に着手する方針だ。

コメント:

具体的な影響の中身について知りたいですね。人類に対する直接的な影響なのか、間接的な影響なのか等・・・。


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山陽新聞 社説(2008年1月16日 付)

記事:

 高度な専門性が求められる仕事を担う人材の育成を目指す「専門職大学院」で定員割れの多いことが、文部科学省の調査で分かった。

 それによると、二〇〇六年四月までに開設された国公私立、株式会社立の専門職大学院四十九校の計六十六専攻(法科大学院を除く)のうち定員を割り込んだのは二十五専攻に及ぶ。

 分野別では、ビジネス・技術経営(MOT)が二十八専攻のうち九専攻、会計が十四専攻のうち四専攻、公共政策が七専攻のうち二専攻、知的財産やファッションといった「その他の分野」は十七専攻のうち十専攻に上った。募集人員の半数を下回ったのは七専攻で「その他の分野」が五専攻を占めた。

 専門職大学院は、国際的視野を持ち、高度で専門的な職業能力を有する人材の養成という社会ニーズに応えるため中央教育審議会の提言で〇三年度にスタートした。実務経験者を教員として配置することなどが特徴だ。

 科学技術の進展や社会・経済・文化のグローバル化、国際競争の激化という状況下で期待が高まり、重要性も増そう。それが約四割もの専攻で定員割れとは残念だ。

 大学院側と志望者側の求めるもののずれが何か、十分な検証が必要だ。中には趣旨と異なり、単に資格取得だけを目指すカリキュラムの専門職大学院もあると指摘される。専攻や教育内容を見直し、質を高めなければならない。

 企業などの従業員再教育への意識も問われる。大学院に行きやすい環境や高度な専門性を生かす場、処遇など意欲を高める手だてが欠かせない。時代の要請である専門職大学院を、期待倒れに終わらすわけにはいくまい。

コメント:

単なる学位を取得するだけの専門大学院であれば、行く意味がないと考える人が多いのも当然かもしれません。学費も結構高いですからね。ただ、こういった能力を持った人材を多く輩出しなければいけないことは自明です


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YomiuriOnline(2008年1月15日 付)

記事:

昨年10月、イギリスの高等裁判所がゴア元副大統領出演の「不都合な真実」の内容に対し「9カ所の部分で科学的根拠が乏しい」と注意を促す判決を出し、波紋を呼んでいる。映画「不都合な真実」といえばゴア氏がノーベル平和賞を受賞するきっかけを作り、各国の環境政策に多大な影響を与えた作品だ。今回のNMRは人類最大の難問とされている環境問題について考えてみたいと思う。

アメリカ合衆国元副大統領アル・ゴア氏が、ドキュメンタリー映画「不都合な真実」の出演により地球環境に多大なる影響を与えた個人として昨年12月、ノーベル平和賞を受賞したことは記憶に新しい。二酸化炭素の排出により進行する温暖化が地球に多大なる影響を与えると警告を鳴らす映画「不都合な真実」。しかし、この映画「不都合な真実」の内容自体に不都合が生じているのだ!

事の発端は、イギリス教育機関が公立の小中学校に教材として映画「不都合な真実」を配布しようとしたところ、生徒の親が「作品の内容に科学的にウソがある」と訴えを起こす。そして、その訴えに対し英高等法院は9つの科学的な間違いを指摘した上で教材として利用する場合、部分、部分に注釈を与えるよう指示を出したのだ。

今回のこの騒動で注目すべき点について専門家の意見を聞いてみた。

「一つは環境にうるさいEUの加盟国が出した判決だということ。もう一つはこの判決により環境問題は様々な方向から議論してかなければいけない問題だと分かったことが大きい。映画『不都合な真実』が科学的に根拠の乏しい映画だということは多くの専門家の間で知られていたこと。ただ、環境に対する問題意識を喚起する上では非常に優れた映画ともいえる。しかし作品に出てくる科学的データまで"真実"として扱われると、新たな危機が生まれてしまうのです」

そもそも、地球環境とは非常に複雑な構造の上に成り立っており「地球温暖化→南極・北極の氷が解ける→海面が上昇」というような単純な構図で解説することは不可能だという。よって映画「不都合な真実」が近い未来に必ず起こる真実として世の中に広まることに科学者たちは危機感を募らせ始めたというわけだ。

「一番の問題はあの映画の存在が巨悪を隠すということです。現在、日本でもゴミを分別したり、省エネに対する取り組みが盛んに行われていますが、実は世帯単位でいくら頑張っても環境に対する貢献は極々わずか。問題は車の排気ガスと工場プラントからの工業廃棄物。この二つに対する制限を強化するだけで排出ガスの問題はほぼ解決に近づきます。早い話、ゴミを分別するのではなく、ゴミを出さないようにしなければ意味がなく、個人ではなく政治の問題なのです」

個人がいくら頑張っても地球環境はよくならない...あまりに乱暴な専門家の意見に一瞬耳を疑ったが、実はこの意見こそ科学者たちの間ではごく一般的な共通認識とされている。

「なぜ、石油製品が減らないのか?ガソリン車が減らないのか?世界の産業構造そのものが環境を破壊しているのです。それを変えないと地球は救えません」

映画「不都合な真実」は私たちに環境危機の認識を与えた。しかし、認識するだけでは何ら解決に繋がらない。

「不都合な真実」に付きまとう不都合...それは、すべきことがわかっていながら手を出せない正義のジレンマなのだろう。

◎英高等法院が注意を促した映画「不都合な真実」の不都合な箇所

(1) 西南極とグリーンランド(の氷床)が融解することにより、"近い将来"海水準が最大20フィート上昇する。
英高等法院判決:これは明らかに人騒がせである。グリーンランド(氷床)が融解すれば、これに相当する量の水が放出されるが、それは1000年以上先のことである。

(2) 南太平洋にある標高の低いさんご島は、人為的な温暖化によって浸水しつつある。
英高等法院判決:その証拠はない。

(3) 地球温暖化が海洋コンベアを停止させる。
英高等法院判決:IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によれば、混合循環として知られるこの海洋コンベアは、鈍化することはあっても、将来停止することは可能性はかなり低い。

(4) 過去65万年間の二酸化炭素(濃度)の上昇と気温上昇の二つが正確に一致している。
英高等法院判決:この関係性については、確かにおよその科学的合意が得られているが確立されたものではない。

(5) キリマンジャロ山の雪が消失していることには、地球温暖化が明確に関連している。
英高等法院判決:キリマンジャロ山の雪の減少が主として人為的な気候変動に起因するとは確立されていない。

(6) チャド湖が乾上ったという現象は、地球温暖化が環境を破壊する一番の証拠。
英高等法院判決:この現象が地球温暖化に起因すると確立するには不十分。それ以外の要因、人口増加、局地的な気候の多様性なども考慮すべき。

(7) 多発するハリケーンは地球温暖化が原因である。
英高等法院判決:そう示すには証拠が不十分である

(8) 氷を探して泳いだためにホッキョクグマが溺死した。
英高等法院判決:学術研究では「嵐」のために溺れ死んだ4匹のホッキョクグマが最近発見されたことのみが知られている。

(9) 世界中のサンゴ礁が地球温暖化やほかの要因によって白化しつつある。
英高等法院判決:IPCCのレポートでは、サンゴ礁は適応できる可能性もある。

コメント:

不都合な真実は見ましたが、かなり恣意的なものも感じました。ただ、ノーベル平和賞をゴアが受賞した理由もそれなりに評価されるべきと思います。


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Yomiuri Online(2008年1月15日 付)

記事:

海外へ派遣された日本人研究者と、海外から来日した外国人研究者の総数が、それぞれ過去最高を記録し、国際的な研究交流が進んでいることが、文部科学省がまとめた最新の調査結果から明らかになった。

2005年4月~06年3月に、計855の国公私立大や試験研究機関が、海外に派遣したり、海外から受け入れた研究者の数を書面で調査。765機関(89・5%)から回答があった。

その結果、派遣した研究者の総数は13万7251人で、前回調査より1万2130人増(9・7%増)だった。受け入れた研究者は3万4939人と、前回から3567人増(11・4%増)。いずれも延べ人数で過去最高となった。

派遣先で最も多いのは、例年通りアジアで、以下、欧州、北米の順。6番目のアフリカへの派遣数の伸びが高く、前年度比35・9%増の1639人だった。また受け入れた外国人研究者の所属先は、多い順でアジア、欧州、北米だった。

同省では「特に派遣、受け入れ期間が1か月未満のケースが増えている。国際間で共同研究が進み、チーム内の研究者が短期間で盛んに行き来しているとみられる」と話している。

コメント:

国際基準で研究者もやっていかなければならないですね。


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Yomiuri Online(2008年1月14日 付)

記事:

子供たちの理科離れが指摘されるなか、民間企業などの現場で働く専門家を講師に招き、実社会に結びつけた理科の授業をしてもらうプロジェクトが大館市内の7小学校で展開されている。経済産業省が今年度実施している「理科実験教室プロジェクト」の一環だ。先月、大館市立矢立小学校で行われた授業では、地元の研究者が、実験を通して、理科の知識が身近な暮らしにどう役立っているのかをわかりやすく示し、子供たちの理科への興味を引き出した。

(伏見公男)

矢立小に講師として招かれたのは、土壌の洗浄や産業廃棄物の処理などを研究する大館市の会社「DOWAエコシステム環境技術研究所」研究員、西川晃央さん(27)ら2人。

「水溶液の性質と働き」をテーマに、6年生18人が、マグネシウム、ニッケル、鉄、亜鉛の四つの金属をそれぞれ入れた試験管に、希塩酸の水溶液を加えて溶かす実験に取り組んだ。

マグネシウムは水溶液を入れると、あっという間に泡を出して溶けてしまい、児童たちは驚きの声を上げた。でも、ニッケルはなかなか溶けず、西川さんの指導で児童らは熱湯を入れたビーカーに試験管を浸して、溶かした。さらに鉄、亜鉛も溶かした。

次に西川さんは、鉄を溶かした水溶液を熱した後に残る黄緑色の粉を取り出し、この粉が溶ける前の鉄と同じかどうかを調べる実験をした。磁石を近づけても、くっつかない。それを児童に見せて鉄が質的に変化したことを理解させた。

最後に、金に希塩酸の水溶液を加えた。でも、それまでにやった四つの金属のように溶けない。

西川さんは「金は、腐りにくく、さびにくい。この特性があるから、携帯電話の基盤の集積回路などには、金が使われている」と説明。実際に基盤を見せた。

さらに、「王水」という水溶液を加え、金を溶かして見せた。金は貴重なため、使い古した携帯電話を集めて基盤を溶かし、金を再利用していることを教えた。

同小教務主任の椿田利之教諭(52)は「児童には知的な刺激になった。身近にある携帯電話に金が使われ、しかもリサイクルして使われている話は児童が興味を持ってくれる内容だった」と評価した。

西川さんは「予想以上に子供たちの反応が良かった」と喜んだ。同研究所の川上智所長(45)は「自分の仕事や科学的な知識を子供たちに説明することで社員が自分の仕事に自信を持ってくれれば」と話す。

大館市内の小学校で展開される「理科実験教室プロジェクト」では、大館市のNPO法人「ひととくらしとまち大館ネットワーク」が企業と小学校の仲介役になっている。

経済産業省からプロジェクトの委託先に選ばれ、約900万円の事業費を受けた。事業を進める専属スタッフを雇い、小学校側に受けてみたい授業のテーマや受講を希望する学校を募集して授業を立案。企業側には講師派遣を交渉して市内の7社に引き受けてもらった。こうした企業などから、これまでに市内の全22小学校のうち、7校に講師を派遣した。

矢立小以外にも、早口小などに「台風と天気の変化」をテーマに気象予報士を派遣し、台風が発生するしくみを説明、児童が"天気予報"をした。東館小などに「大地のつくりと変化」をテーマに土木工事などを行う会社の専門家を派遣。ボーリングした土をもとに、大地が火山灰が積もってできたのか、土砂が流れて堆積(たいせき)してできたかを児童に考えてもらった。

同ネットワークの小棚木政之事務局長(40)は「事業は今年度で終わるが、4月以降も企業と学校の仲介役として、学校から依頼を受ければ企業と交渉し授業をしてもらえるようにしたい」と話している。

コメント:

今後もこういった活動は継続して欲しいですね。


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中国新聞(2008年1月13日 付)

記事:

ひろしま産業振興機構(産振構、広島市中区)が運営する技術移転機関の広島TLOと、広島大(東広島市)の産学連携センター知的財産部門が統合し、4月に「広島技術移転センター」(仮称)が発足する。広島TLOへの県や国などの補助金が2008年度までに打ち切られ、活動が困難になると見込まれる中、統合で組織の効率化を図り、大学から民間企業への技術移転を仲介する機能の強化を目指す。

広島技術移転センターは、広島TLOと同じ中区千田町の県情報プラザに置き、広島大の東広島キャンパス(東広島市)と霞キャンパス(南区)に支部を設ける。

広島TLOは、広島大を含めた県内11の大学や高専の技術を発掘し、企業での実用化を橋渡ししている。仲介した民間企業への技術移転実績の約7割は広島大から。双方を統合すれば、組織の効率化ができる上、特許権使用料や成功報酬など事業収入増が見込めると判断した。

コメント:

TLOとしてきちんと収益を確保できる体制が整えば、産学連携も進むと思います。


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北海道新聞(2008年1月13日 付)

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室蘭工大学長杯ロボットサッカーコンテストが十二日、同大学生会館で始まった。中高生を中心に地元西胆振のほか、札幌や小樽などの小学生から大学生まで計四十七チームが出場。有線操縦型、無線操縦型、自立移動型の三部門に分かれ、手づくりのユニークなロボットによる熱戦を繰り広げた。

青少年に理工系分野への興味を持ってもらおうと始まり、十四回目。この日は「有線」「無線」で、フリーで与えられる周囲六十センチほどのボール五個を時間内にいくつゴールできるか競う予選を行った後、二体のロボットが縦三メートル、横二メートルのコートで戦う本戦に移った。

どのチームも、ロボットの仕組みを工夫。クワガタの角のようなアームでボールをつかんではじき出したり、回転するローラーでボールを体内に取り込み、逆回転で飛ばすなど多彩で、見事にゴールが決まると会場から感嘆の声が上がった。

機動性や操作性も重要で、本戦では二体のロボットがゴール前で激しくボールを奪い合う姿も。各チームの操縦者は、真剣な表情で巧みにロボットを操っていた。故障でロボットが動かなくなるなどのハプニングもあったが、会場からは各チームに健闘をたたえる拍手が送られていた。

最終日の十三日は午前十時から各部門の本戦を行い、優勝チームが決まる。入場無料。

コメント:

中高生でもこういったロボットを作れるんですね。驚きです。


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カナロコ(2008年1月13日 付)

記事:

コーヒーを味わいながら、科学などの第一線で活躍する研究者の話が聞ける「かながわサイエンスカフェ2」が十二日、横浜市鶴見区の鶴見大学で約百人の参加者を集め開かれた。中高生らの理科離れを防ぐことを狙いに、神奈川科学技術アカデミー、鶴見大学、日本学術会議化学委員会が連携し企画した。

二部構成の一部は「ピアノはなぜ黒いのか」。講師は鶴見大学文学部教授の加藤寛さん。黒い塗料がなかったバロック期のヨーロッパ。真っ黒な東洋の漆に出合い、その色合いを出すために技術革新を行い、現在目にする黒いピアノを完成させたという。その過程を欧米で黒が持つステータスシンボルの意味を交えながら解説した。

二部は「人体の矛盾」。同大歯学部講師、小寺春人さんが動物にはない咽頭(いんとう)について話した。人間はこの器官を持つことで言葉を発する能力を手にした。しかし、むせたり、誤飲したりする負の構造を背負い込むなど、進化がはらむ矛盾について平易な言葉で紹介した。

講演の合間にはバイオリンとチェンバロの演奏もあり、参加者はゆったりとした気分で話を楽しめた。東京から父親とともに訪れた堀智喜さん(13)は「自分の知らない知識を得られるのでとても楽しい」と目を輝かせた。

企画にあたった鶴見大歯学部の瀬戸晥一部長は「くつろいだ雰囲気の中で研究者の話に耳を傾け、理科は面白いと興味を持ってもらえれば」と話している。次回は夏に開催する予定。

コメント:

サイエンスカフェ、日本で広がりだしましたね。


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Yomiuri Online(2008年1月11日 付)

記事:

学校教諭を退職した人らが地元の小学生の冬休みの宿題を手伝う「太田学びぃ教室」が9、10の2日間、大仙市の太田公民館で開かれた。太田地区の小学1~6年生約70人が宿題に取り組み、9日は15人、10日は12人の元教諭らが「先生」として勉強を指導した。

公民館の図書室で、子供たちが机に向かい黙々と漢字の練習や割り算の練習問題に取り組む。「先生」たちがその脇を通り、時折、声をかける。

「努力の字が違うよ。調べてごらん」と「先生」に言われた市立太田東小5年の小松結花さん(11)はすぐに間違えた漢字を消しゴムで消し、テキストをめくった。

小松さんは「わからない時にすぐに教えてもらえたり、違っているところを示してくれるから勉強がしやすい」と話す。9日には冬休みの課題になっている冊子を6ページこなした。

太田学びぃ教室は、春、夏、冬の長期休暇に開催。元小中学校教諭で、同公民館社会教育指導員の草ナギ稔さん(71)が旧太田町(大仙市)に「地域の子供は地域で育てよう」と提案し、2005年8月から始まった。小中学校の元教諭や読み聞かせボランティア、旧町職員など18人が指導者として登録している。

国語や算数、理科、社会のほか、作文や書道なども教える。太田地区の小学校に申込用紙を配布し、勉強したい科目などを記入してもらい、学年や希望の多い教科に応じてボランティアの「先生」をそろえている。

開講当初から参加している元中学校教諭宇野八重子さん(78)は「子供たちは一生懸命勉強していて出来ると笑顔を見せる。とても楽しい」と言う。元幼稚園教諭の高橋勝子さん(66)も「幼児から小学生の時期は人格形成の上でも大事。少しでも経験が生かせれば」と話す。

県教育庁生涯学習課によると、教員OBを活用した勉強会は県内各地で行われ、秋田市では放課後に勉強を教え、仙北市では大仙市と同様の勉強会を開いているという。

草ナギさんは「先生を増やし、出来る限り個別指導に近づけたい。『よく出来たね』とほめてあげるだけで子供たちのやる気につながる。学力向上の一助になれば」と話している。

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OBの教員や技術者の有効活用という点では面白いですね。(ボランティアですが・・。)


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北海道新聞(2008年1月11日 付)

記事:

楽しい実験の方法を、現役の先生に教えます-。子どもの理科離れを防ぐため、若い教師らに授業のこつを伝授しようと、道内の理科教師OBらで構成するNPO法人・北海道科学活動ネットワーク(札幌)は十一、十二の両日、「青少年のための科学の祭典・指導者研修会」を北大学術交流会館(札幌市北区北八西五)で初めて開く。

同ネットは、札幌などで子ども向けに実験や工作を体験してもらうイベントを毎年実施している。面白い実験ができる教師をさらに増やすため、実験授業の実践で全国的に有名な教師を講師として招き、初めて教師向けの研修も同時開催することにした。

研修は両日とも午前からで、子ども向け実験教室やサイエンスショーで活躍する首都圏などの教師、道立理科センターの主任研究員らが講義する。

実際に実験をしたり授業の写真を使うなど、子どもの関心を集める理科実験のこつを伝える。講演者によるパネルディスカッションも開く。

午後は実際に実験を紹介しながら教師の腕も磨くため、会場を子どもにも開放する。「シャボン玉遊び」「簡単花火」など二十五のブースを用意し、教師や教師OBらがお互いに技術を伝えあいながら、磁石やせっけんなど身近な材料で理科の面白さを伝える。

いずれも無料。研修は十一日が午前十時半から正午、十二日は午前九時半から午後零時半まで。子ども向けの実験紹介は両日とも午後一時半から午後四時。問い合わせは同ネット(電)011・578・3500へ。

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小学校の先生にとって理科の実験を考えるのは大変なので、こういった取り組みはありがたいですね。


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福島放送(2008年1月10日 付)

記事:

三次元コンピューターグラフィックスやアニメーションによる学習ソフトを使った初めての勉強会「理科・算数の基礎を三次元で学ぼう」は2月3日、いわき市平のいわき産業創造館で開かれる。

ソフトウエア開発のバーチャル・ハーモニー(同市小名浜)の主催。

小学4年生から高校生まで学年順に5コースを設定した。

IT研修室のパソコンを利用するため定員は各32人。

親子で参加も可能。

受講料は無料。

問い合わせは同社電話0246(52)0222へ。

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こういったことが無料で行われているのがすごいですね


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福井新聞(2008年1月10日 付)

記事:

全国の中高校生を対象にした科学研究コンテスト「日本学生科学賞」中学の部で、福井市社中3年、仲地唯佳君が最高賞の内閣総理大臣賞に輝き9日、県庁を訪れ西川知事に受賞報告した。「将来は科学方面の仕事に就きたい」と話した。

仲地君は、地震の犠牲者を減らしたいとの思いから、地震時の建物の揺れの軽減について研究。高さや柱の太さ、重さ、素材を変えた7種類の建物模型を制作し、これらに振り子や鉄球、電車振り子、バネ、水槽の5種類の免震装置を設置、振動を与えながらそれぞれの効果を分析した。

実験の結果、建物と装置はそれぞれ固有の周期で揺れ、それらの周期が同様の場合に振動に対して互いに逆向きの動きが現れ、揺れが軽減されることを確認した。

中学1年生の時から地震の揺れをテーマに研究を進めている仲地君は「今後はコンピューターなども使い、さらに追究していきたい」と意欲的に語った。科学部で指導に当たった宇野秀夫教諭は「意欲的に取り組み、目的意識も旺盛だった」と快挙を喜んでいた。

同科学賞は、優秀な科学者の育成を目的に1957年に創設された。

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中学生ながらこういった実験から一定の結論を導き出せるのはすごいですね。同時に指導している教官にも頭が下がります


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asahi.com(2008年1月10日 付)

記事:

10日に開かれる総合科学技術会議の作業部会で報告する。経産省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や産業技術総合研究所、生物情報解析研究センターなどが、これまでの関連研究の成果を提供し、京都大と共同開発する計画だ。

京都大の山中伸弥教授らは、人の皮膚細胞に四つの遺伝子を組み込んでiPS細胞の作製に成功した。ただ、人間の遺伝子は約2万2000あるとされ、山中教授の場合は無数の組み合わせから24の遺伝子を選び出すまでに4年、さらに実際に成功した四つの遺伝子の組み合わせを見つけるまでに数カ月かかった。

新たな解析手法やデータベースを使うことで、万能細胞の作製や、様々な臓器などへの細胞の分化に使える可能性が高い遺伝子の組み合わせを、効率的に抽出。短時間で大量に検証することができるようになる。

また、iPS細胞作製の際、がん化の危険を避けるため、遺伝子の代わりに使う化合物の探索などにもNEDOなどが蓄積した研究成果を提供する。

万能細胞をより高い効率で安全に作製するための新たな候補遺伝子探しは、すでに米国では10を超える研究機関で始まっているとも言われる。

国内ではこのほか、厚生労働省が所管の独立行政法人である医薬基盤研究所を通じ、来年度は1億円弱の研究費を助成する方針を新たに決めた。細胞培養に必要な専門施設の全国的な整備などで、研究を支援する。

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日本で一体となってこの分野を引っ張っていって欲しいものです。しかし国の横割は何とかなりませんかね。。。


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Nikkei net(2008年1月10日 付)

記事:

山梨大学(貫井英明学長)は産学連携の推進組織を4月に一本化する。学内の関連部門を統合し、研究成果の外部移転を担う山梨ティー・エル・オー(甲府市、風間善樹社長)も取り込む。企業との共同研究スペースの管理も一元化し、活用を促す。県内のベンチャーや中小企業が技術開発などで大学と連携しやすい環境を整え、共同研究の実績を高める。

知的財産管理の研究支援・社会連携部、企業との研究協力推進の地域共同開発研究センターを統合。学長直属の「産学官連携・研究推進機構」を新設する。研究・企画担当理事の横塚弘毅副学長が機構長に就く。医学、工学、教育人間科学の各学部長や理事、評議員など3―6人で構成する委員会が運営に当たる。

共同研究を進める地域連携室、特許などの管理や技術移転、国際展開を担当する知的財産戦略推進室を機構内に新設。同大学と県内企業が共同出資する山梨TLOは保有する特許権などを大学に移譲して解散し、機能を両室に移す。国の助成金など外部資金を管理する研究推進室も設ける。

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面白い取り組みですね。各研究室の自由度は保ちつつ、事務的な窓口部分を補うような組織がいいような気がします。


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Nikkei net(2008年1月10日 付)

記事:

厚生労働省は、再生医療の切り札として期待されている新型万能細胞(iPS細胞)の臨床研究を促すため、来年度に研究機関の実験施設の整備を支援する。新型万能細胞は昨年秋に京都大学の研究者が開発の成功を発表したばかりだが、世界中で研究競争が激しくなっている。日本発の研究成果の優位性を保つためにも、医療への応用研究を加速させる必要があると判断した。

10日に開催される政府の総合科学技術会議の会合で研究支援策として説明する。

コメント:

今回の対応は非常に早いので好感持てます


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IBC岩手放送(2008年1月10日 付)

記事:

子どもたちの理科離れを防ごうと、宮古市が独自にプログラムを組んだ体験教室が行なわれました。「ニュートン・スクール」と名付けられた実験教室は子供たちに理科に興味を持ってもらおうと宮古市の教育委員会が企画したもので、きょうは市内22の小学校からおよそ250人が参加しました。
子どもたちは小型の手動発電機を回してラジオを鳴らし、エネルギーの勉強をしたり、化学反応で温かくなるカイロを作ったり、9つのブースで理科の不思議と楽しさを実感しました。参加した子どもたちは、実験を通して身近なところにたくさんの「理科の考え方」が応用されている事を知ったようでした。

コメント:

理科の考え方が応用されているのか身の回りの事象が汎化されて理科という科目になっているのかは分かりませんが、いずれにしてもそうやって理科に興味を持って欲しいですね


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asahi.com(2008年1月10日 付)

記事:

山中伸弥・京都大教授らが作製に成功した万能細胞(iPS細胞)研究の拠点となる京都大のセンターが月内にも正式発足することがわかった。将来的に10人ほどの教授陣に加え、100人以上の研究員が集う場にする構想。センター長には、山中教授が就任する。

10日にあった万能細胞研究の支援体制を検討する文部科学省の作業部会後、京都大の松本紘理事が明らかにした。

京都市内にレンタルオフィスを借りて早急に活動を始めるほか、年内に仮設の施設を設置。2年後をめどに建物を完成させる計画だという。

知的財産は大学本部で管理し、センターを担当する弁理士や弁護士を置く。山中教授が所属している京都大再生医科学研究所を国内の研究者が共同利用できる施設に変更し、iPS細胞研究への参加を促す方針だ。

また、関係各省の支援方針も同日出そろった。国の総合科学技術会議の作業部会で報告された。

経済産業省は、iPS細胞を薬の効果や副作用の検出に使うための研究開発を京都大と共同で07年度中に始める。作製効率を上げる手法の開発なども支援する。

厚生労働省は、医薬基盤研究所を通じ、来年度も1億円弱の研究費を助成する。利用時の指針を整備するための準備や、細胞培養に必要な専門施設の整備などを進め、再生医療全般で研究を支援する。

文部科学省は、臨床試験手前の研究事業を08年度に30億円規模で始める。内訳は、iPS細胞に関連した病気のモデル細胞作りなどの基礎分野に10億円、神経細胞や血球などへの分化誘導技術開発などの応用に10億円。また、胚(はい)性幹細胞(ES細胞)や体性幹細胞を含む幹細胞研究全般にも10億円を充てる。京都大での知的財産権保護も支援する。

コメント:

知的財産と融合した体制は今後のケーススタディとなるようなものになって欲しいですね


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Yomiuri Online(2008年1月10日 付)

記事:

京都大学の山中伸弥教授が世界で初めて作製に成功した万能細胞(iPS細胞)の研究を加速させるため、文部科学、厚生労働、経済産業の3省による支援策が10日、まとまった。

国の総合科学技術会議の作業部会に報告された。

病気やけがで傷んだ臓器や組織を修復する再生医療の実現に向けた新たな研究プロジェクトや、iPS細胞をさまざまな細胞に変化させる技術の研究拠点の新設など、2008年度だけで計30億円以上の国費が投入され、国を挙げて、iPS細胞研究を支援する体制が整った。

文科省は08年度から、<1>iPS細胞を神経細胞や血液細胞などに変化させる技術の開発や技術指導を行う研究拠点(1拠点)<2>目的の細胞に変化した細胞を治療に使うための技術を開発する研究拠点(3拠点程度)――を公募し、計約10億円を投入。さらに若手研究者の育成などiPS細胞研究に対して計約12億円をつぎ込む計画だ。

また、厚労省は08年度、再生医療を推進する拠点の整備などで計10億円以上の研究費を助成。iPS細胞を使った医療の実現に向けた安全基準づくりも検討する。経産省は07年度から、iPS細胞を利用した産業の創出を目指し、iPS細胞を使って薬の効果などを調べる創薬技術やiPS細胞の作製効率を高める技術に対し支援する。

また、この日の作業部会では、国内のiPS研究の中心となる、京大の「iPS細胞研究センター」(センター長・山中教授)が今月発足したことが報告された。

コメント:

今回異例の速さで支援体制が固まりましたね。


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Nikkei net(2008年1月10日 付)

記事:

京都大学の山中伸弥教授が世界で初めて人の皮膚細胞から作製した新型万能細胞(iPS細胞)の研究を強化するための国による支援策が出そろった。経済産業、厚生労働など関係省庁合計で約33億円を2008年度に投入。神経や臓器の働きを回復させる再生医療の早期実用化を目指すほか、iPS細胞を創薬に役立てる技術の開発や、有力特許の獲得を促す。

10日に開いた総合科学技術会議(議長・福田康夫首相)などの専門家会合で各省庁が示した。経産省は今年度内に最大1億円を投じ来年度は増額する。人の遺伝子をほぼすべて網羅した遺伝子バンクを山中教授に提供する。iPS細胞作製に使う遺伝子を変えれば安全性や作製効率を改善できると期待している。

新薬開発に同細胞を生かす研究を年度内にも始める。同細胞から作った心臓の筋肉や肝臓などの細胞に、新薬候補物質を加えれば安全性などを効率よく調べられる。

コメント:

国を挙げての支援体制、整ってきましたね


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森林総合研究所(2008年1月10日 付)

記事:

独立行政法人森林総合研究所は、1月28日に「応援します!家族責任を持つ女性研究者」第1回公開シンポジウムを開催します。

当研究所は平成19年度文部科学省科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成事業」の採択を受け、所内の家族責任を持つ職員全てに男女共同参画意識を向上させるために、様々な取り組みを行っています。

本シンポジウムの基調講演は文化人類学者でジェンダー研究の第一人者である原ひろ子先生(お茶の水女子大学名誉教授)から「人類の将来と男女共同参画」と題して、また招待講演では元森林総合研究所の新島溪子氏による「研究機関における女性職員の過去と未来」と題して講演が行われます。またパネルディスカッションでは、同じ独立行政法人の研究機関である産業技術総合研究所、物質・材料研究機構、理化学研究所の男女共同参画担当の方々をパネリストとして、独立行政法人の研究機関に共通の問題点と解決策について討論します。

今回、本シンポジウムが多くの参加を得て開催されることにより、独立行政法人の研究機関における今後の有効な女性研究者支援の在り方が示されると共に、他の研究機関や大学等に大きな刺激を与えることで、女性研究者の躍進および社会全体に対する男女共同参画意識の改革に大きく貢献するものと考えます。

 日時:2008年1月28日(月)13:30~17:30 (受付13:00より) 
会場:つくば国際会議場エポカル中ホール(茨城県つくば市竹園2-20-3)
   (Tel:029-861-0001, Fax:029-861-1209)
   (つくばエクスプレスつくば駅から徒歩10分)
プログラム:http://www.jsfws.info/ffpri_sympo
主催:独立行政法人森林総合研究所
共催:独立行政法人産業技術総合研究所、独立行政法人物質・材料研究機構
協力:独立行政法人理化学研究所
後援:内閣府(予定)、男女共同参画学協会連絡会

参加申し込み先:http://www.jsfws.info/ffpri_sympo

コメント:

女性が研究者と家庭を両立させることができるような環境を作ることが大切ですね


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佐賀新聞(2008年1月10日 付)

記事:

就職情報会社のダイヤモンド・ビッグアンドリードが10日発表した2008年の大学生人気就職先ランキングによると、文系男子は2年連続で三菱商事が首位、文系女子は東京海上日動火災保険が2年ぶりのトップとなった。文系では男女ともに総合商社や金融の人気が高く、ダイヤモンドは「大手、安定志向が続いている」と話している。

文系男子の2位は三菱東京UFJ銀行で、前年より順位を1つ上げた。3位は三井物産、4位が住友商事と商社が続いた。文系女子は、2位が前年首位だった三菱東京UFJで、3位は全日本空輸。

一方、理系男子は1位が日立製作所、2位が松下電器産業で、3年連続で1、2位が同じ。前年9位だったソニーが3位に浮上した。理系女子は資生堂が2年ぶりにトップとなり、2位は松下、3位が日立だった。

コメント:

文理ではやはり希望が大幅に変わるものですね。また、理系のメーカー離れもある程度とまったのでしょうかね


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京都新聞(2008年1月 9日 付)

記事:

京都工芸繊維大(京都市左京区)の伝統みらい研究センターが、京都の匠(たくみ)が持つ伝統技能と先端技術を融合させた新しいものづくりに挑戦している。京壁(土壁)や漆(うるし)などさまざまなテーマで研究と開発を進めており、12日には「人の感覚のサイエンス」と題して成果を報告する。

センターは、日本を支えてきたものづくりの再生に向けて、伝統工芸で培われてきた技術に着目した。伝統技能者の動作解析や工芸品、文化財の材料分析など、先端技術を駆使して匠の技を科学的に解明し、日本でしかできない高品位製品の開発に生かそうとしている。

2005年に、伝統的な繊維製品から学ぶ先端材料の開発などのプロジェクト研究を開始した。組紐の構造に学び、しなやかで強いロボットアームの開発などを進めている。昨年度からは伝統技能者たちを招いた講演会を開くとともに、京壁などをテーマにした研究会も発足した。入手が難しい京都の土を人工的に作る技術の開発などユニークな試みも始めている。

漆をテーマにした研究会では、ナノ単位の表面計測や眼球運動の解析、色の評価、デザインといったさまざまな切り口で研究している。センターの仲井朝美准教授がピアノブラック(漆)調のプラスチック成形技術を開発し、12日午後1時半から下京区の池坊短期大で開かれるセンター講演会で披露する。

センターは、次代のものづくりを担う人材育成にも取り組み、工房での体験学習も行っている。これまでの研究成果を今年3月に東京で報告する予定で、センター長の濱田泰以教授は「これからどんどん面白い成果が出るので、期待してほしい」と話している。

コメント:

伝統工芸と先端技術、アナログとデジタルの融合、面白いですね。


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IPNEXT(2008年1月 9日 付)

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北海道ベンチャーキャピタル(HVC)は8日、グループ会社のHVCグローバルインベストメント(HVCGI)が運用するファンドが出資している米タセレ・セラピューティクス(Tacere Therapeutics)が、世界大手製薬企業のファイザーとライセンス契約を結んだと発表した。タセレは、siRNA C型肝炎治療薬の候補化合物である「TT-033」を開発し、ファイザーにライセンス供与するほか、共同開発も行う。

ファイザーは臨床試験の申請に向けた研究開発費用を負担するとともに、その後の開発、承認申請、上市における各マイルストーンをタセレに支払う。契約総額は1億4500万ドル相当となる見込み。これに加えてファイザーは、TT-033の販売額に応じたロイヤルティを支払う。

HVCは、開発初期段階にある優れたシーズを持つバイオベンチャーに注目し投資を行う企業。投資先には特許戦略や製薬企業との協業なども支援している。同社が出資するバイオベンチャーはこれまでに、科研製薬やアステラス製薬、武田薬品工業などとライセンス・共同事業化契約を結んだ実績を持つ。

コメント:

製薬系の企業は初期投資かかり、特に技術力だけで会社を回していくことが出来ません。こういった事例が一般的になることで、技術に対する市場価格が形成されると良いですね。


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Yomiuri Online(2008年1月 9日 付)

記事:

クローンマウス誕生に成功 近大生物理工学部4年森田さん



三谷准教授(左)と安斎講師(右)の指導を受け、実験に取り組む森田さん(海南市の近畿大先端技術総合研究所で) 近畿大先端技術総合研究所(海南市南赤坂)で、同大生物理工学部4年の森田真裕さん(22)が、クローンマウス=写真=の誕生に成功した。ベテラン研究者でも成功率が2%程度といわれるほど難易度が高く、同研究所では「学部生の成功例は聞いたことがない。史上最年少では」と驚いている。

 クローンマウスは、核を取り除いた卵子に別の個体の核を移植してクローン胚を作り、代理母のマウスの子宮に着床させて誕生させる。1997年に第1号が誕生したが、着床段階での失敗が多く、現在も成功率は低い。

 森田さんは2006年9月、クローン技術を研究する三谷匡(たすく)准教授(生殖生理学)の研究室に入った。「基礎の基礎も分からない状態」から毎日、午前7時から午後9時ごろまで研究に打ち込み、知識や技術を習得した。

 核を移植する時期の決定や培養時の温度管理などをすべて独力で行い、昨年6月にクローンマウスの誕生に成功。「最初はだめで当たり前と思っていたので、(誕生した時は)大騒ぎしてしまいました」と振り返る。マウスは「風鈴(すず)」と名付け、同9月には自然交配で出産もした。

 三谷准教授は「奇跡には違いないが、それも確かな技術があったからこそ」と感心。指導した安斎政幸講師も「さらに研究を進めて、着床率改善の糸口を見つけてほしい」と期待する。

 森田さんは今春、製薬会社へ就職することが内定している。クローン研究から一度は離れるが、「今回の成功は自信になった。将来は、ここで学んだ技術を生かしたい」と話している。

コメント:

技術が昔に比べて一般化してきたということは、クローンに対する法的な整備や国民の中での合意形成を急いで行う必要があります。


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Excite Bit(2008年1月 8日 付)

記事:

年末年始。暦や時について考える機会の多い季節だが、コネタ「理科年表で涼む!?」でもおなじみの、技術者必携の書「理科年表」にも暦欄がある。さすがに科学書なので、毎日の運勢や大安仏滅の暦は載ってないが、二十四節季の暦や日の出、日没の時刻なんかが記されていて、日常生活にもチョットだけ使える。

さて、この理科年表の暦欄を眺めていると、面白いことに気がつく。1日って何時間? と問われれば、もちろん24時間なのだが、これは人間界でのお話。お正月のテレビや新聞で地球環境の問題が盛り上がっていたが、自然界、地球の1日は、実は24時間ではないのである。

東から昇ったお日さまは真南を通って西に沈む。真南で一番高く輝くことを「南中」というが、南中から翌日の南中までを1日として、理科年表でその時間を調べてみよう。すると、季節によって24時間より30秒ほど長かったり、20秒ほど短かったりすることが分かる。2月中頃までは24時間より長いので、地球の時計は人間界の時計よりどんどん遅れて、2月中旬には14分も遅れてしまう。人間界で最近はやりの電波時計なら1日に1秒たりとも狂わないのに、実は地球って結構フラフラしている。

どうしてこんなことが起こるのか。地球は太陽の周りを楕円を描いて回っている。円じゃなくて楕円なので、季節によって回るスピードが少しずつ変わってしまう。だから24時間ピッタリにはならない。他にもいくつか理由があるが、主なものはこれ。壮大な世界のお話である。

都会で暮らしていると、電車が2~3分遅れただけでイライラしたりするもの。でも、我々が暮らしている地球の時計は、こんなふうに15分ほど遅れたり進んだりしているのである。今年は少しおおらかな気持ちでゆこうと、理科年表を眺めながら、炬燵の中で思ったのでした。

コメント:

理科年表って眺めているだけで面白いですよね。ですが、この現象、初めて知りました。面白いですね。


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Yomiuri Online(2008年1月 8日 付)

記事:

理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)は3月から、京都大学の山中伸弥教授のグループがマウスの皮膚細胞から世界で初めて作製した万能細胞(マウスiPS細胞)を希望する研究者に配布する事業を始める。

iPS細胞を多くの研究者に利用してもらうことで、再生医療などの研究を加速させるのが狙い。

iPS細胞は、さまざまな臓器・組織の細胞に変化する万能細胞の一種。山中教授らは人間でも同様にヒトiPS細胞を作製しているが、受精卵を使わず作製できることから世界的に注目されている。

特許取得の手続きも済んだことから、細胞バンク事業に実績のある同センターは京大から依頼を受けて、希望する国内外の研究者に提供することにした。

今週にもiPS細胞の培養を開始し、3月から提供を始める。費用は約100万個の細胞が入った試験管1本で実費1万2000円。提供を受けた研究者が論文を発表する場合は、京大との共同研究になる。同センターはヒトiPS細胞についても4月以降配布する予定。

コメント:

科学の世界ではこういったことが結構当たり前に行われますよね。


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Yomiuri Online(2008年1月 8日 付)

記事:

横浜市教育委員会は、独立行政法人・理化学研究所横浜研究所(鶴見区)と、2009年4月に開校する「横浜サイエンスフロンティア高校」(同)での教育を支援してもらう協定を結んだ。理研と高校との協定は初めて。市教委では、生徒が最先端の研究に触れ、未来の科学技術の担い手に育ってほしいとしている。

理研は、自然科学分野で世界トップレベルの研究機関。横浜研究所は、遺伝子やヒトの免疫機能など生命科学分野を担当している。

横浜サイエンスフロンティア高は、全クラス理数科に特化し、研究者や技術者など科学分野のエキスパート養成を目指す。すでに東京、慶応など8大学や東京電力、東京ガスなど24企業と協力関係を結んでいる。

協定では、理研から一線の研究者を招いて講義を受けたり、生徒が施設を訪れ、研究を見学したり、実験を体験したりする。同校の教員も理研で研修を受け、高度な科学知識に触れてもらうことも検討している。

市教委は「最先端の研究現場に接することで、将来の道をひらくきっかけにしてほしい」と期待。理研も、「生徒にわかりやすく説明するよう努めたい。若者の理科離れが言われており、その経験を自然科学の魅力を伝える広報活動に生かしたい」と話している。

コメント:

横浜サイエンスフロンティア高校っていう高校が出来るんですね。初耳でした。


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公明新聞(2008年1月 8日 付)

記事:

"科学技術立国・日本"から技術革新の波を世界に波及していくことが期待される中、世界最高性能の次世代スーパーコンピューターを2010年までに稼働させる国家プロジェクトが注目を集めている。07年3月には、開発主体の独立行政法人・理化学研究所(理研)が、「スーパーコンピューター共用施設」の建設地を神戸市中央区のポートアイランドに決定し、同市が推進する医療産業都市構想や地域企業との連携も始まろうとしている。ここでは、スーパーコンピューターが可能にする科学技術とともに、建設地・神戸市の取り組みを紹介する。

スーパーコンピューターとは、膨大な計算を素早く行うことができる高性能コンピューターのことで、その高速計算による「シミュレーション(模擬実験)」は、実際の実験や理論上の検証と並び、科学技術の発展に必要不可欠な手法となっている。

シミュレーションは再現が困難だったり、時間がかかりすぎたりする実現不可能な実験・観測をコンピューター上で模擬的に行う実験。理研は、「人間に見ることができないものを認識できるようにすること」と説明している。例えば"物が燃える"という現象は何千分の一秒という短い時間の中で複雑な化学反応を繰り返しているが、その時間を引き延ばし検証することで、より効率的な燃焼の仕方を研究し、自動車やロケットのエンジンの改良・開発に応用することができる。逆に、地球温暖化の動向や天体の動きなど長い時間をかけて変化する現象は、時間を縮め、予測することも可能となる。

シミュレーションは、より多くの情報をより速く処理できるほど精度が上がるため、スーパーコンピューターは計算速度の高速化を求めて進歩してきた。

今回、開発が進められている次世代スーパーコンピューターは、「1秒間に1京回(1兆の1万倍)の計算速度が目標」(理研)。これは、02年から04年に世界最速を誇った日本を代表するスーパーコンピューター「地球シミュレータ」の約250倍。また現在、世界一の米国製コンピューターの約30倍の速さで、世界一の性能となる見込みだ。

次世代スーパーコンピューターが完成すれば、情報量が多すぎて突き詰めることができなかった分野で、これまでの限界を突き破る科学技術の革新が期待される。特に、今回のプロジェクトでは、ライフサイエンス(生命科学)とナノテクノロジー(原子レベルでの制御技術)の発展に貢献することが大きな目標とされている。

理研によると、ライフサイエンスの分野では、人間の体全体のシミュレーションを目指すという。これは、人間を構成する分子、細胞、臓器などそれぞれの階層にまたがって総合的に人間の生命現象を捉えようとするもので、新薬の発明や医療診断などの技術革新への期待が高まっている。体中の血管と血流をシミュレーションすることで動脈硬化の発症を予測することや体質情報から個人ごとに合った薬の開発なども実現可能という。

また、ナノテクノロジーの分野では、自然科学研究機構分子科学研究所(愛知県岡崎市)が中心となり、原子一つ一つをシミュレーションし、新エネルギーの創出などを研究する。原油価格高騰の中、稲わらや建築廃材からエタノールを作るといった新技術の開発も研究の視野に入っている。

そのほかにも、新しい半導体の開発や自動車の衝突実験、原子力施設の耐震設計、台風進路や集中豪雨予測の高精度化など多彩な分野の開拓が見込まれている。

新薬、新エネルギー、半導体開発など 多彩な分野で利活用

神戸が研究・教育の一大拠点に

こうしたスーパーコンピューターの機能を十分に発揮していくために学術機関との連携強化の必要性が叫ばれる中、甲南大学フロンティアサイエンス学部(仮称)や神戸大学などが相次いでポートアイランドへの進出を決定。神戸市は、次世代スーパーコンピューター共用施設を中心とした研究・教育の一大拠点へと発展する機運が高まっている。

一方、神戸市では1998年からポートアイランドを中心に医療産業都市構想を推進している。同構想の中核施設として基礎から臨床応用までの橋渡し研究を行う先端医療センターをはじめ、神戸バイオメディカル創造センターなどが設置されており、高度な医療技術の研究・開発拠点が整備されている。構想発表から現在までに、90社以上の再生医療の研究やがんの治療法の開発を行う企業がポートアイランドに進出。今後も、製薬会社や医療機器メーカーなどの誘致が進むことが予想されている。

神戸市は、次世代スーパーコンピューターの活用で、医療産業都市構想のさらなる発展へ意欲を示しており、市医療産業都市構想推進室の三木孝室長は「ライフサイエンスで注目されるようになったが、今後、神戸が世界的な医療都市に発展できるかが焦点」と話している。また、地域の中小企業などの産業利用を促進するため、神戸市は昨年11月、次世代スーパーコンピューターの活用に関する技術相談の実施やシミュレーション研究の成果について周知を進める「財団法人計算科学振興財団」(仮称)の設立構想を発表。地域の「スーパーコンピューターとは何か。中小企業にまでメリットがあるのか」といった声に対応し、ニーズの掘り起こしを進めていく。


公明党の赤羽一嘉衆院議員と市議会公明党(米田和哲幹事長)は先月1日、理研の神戸研究所(中央区)を訪れ、次世代スーパーコンピューターの利活用や再生医療研究などについて、関係者から説明を受けた。

赤羽氏は、神戸商工会議所から要望を受け文部科学省と誘致に向け交渉してきた。また、市議会公明党は「地元経済への普及についても、超高性能のシステムそのものを使いこなすにしても人材の発掘・育成が急務」と訴えてきており、今後もこれらの課題の克服に全力を挙げることにしている。

赤羽氏は「知の一大拠点となるポートアイランドから発信される先端の情報や技術が、神戸の発展につながるよう尽力したい」と話していた。

コメント:

国家レベルでスーパーコンピューターの競争は激化していますが、地方レベルでのこういった活動への参画はありがたいですね。ただし、同時に地域へどう還元していくかが課題だと思います。


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京都新聞(2008年1月 8日 付)

記事:

子どもの「理科離れ」が懸念される中、京都大総合博物館(京都市左京区)で毎週土曜日に行われている「週末こども博物館」が人気を集めている。京大の学生や研究者、市民が教材を持ち込み、自然や歴史などさまざまなテーマで子どもたちに学ぶ楽しさを伝えている。運営資金の確保が課題だが同博物館は「考える力を育てる取り組みとして続けていきたい」と支援と協力を呼び掛けている。

2004年秋から始まった取り組み。「自然・科学」と「文化・芸術・歴史」のテーマで開いており、児童館や教育イベントなどへも出張している。同博物館ではロビーを会場に、研究者や学生らが教材を机に並べ、紙片を組み合わせて立体を作ったり、化石や標本の観察などを子どもたちに体験してもらっている。

メディアと情報伝達を研究する情報学研究科の大学院生、孫暁萌さん(32)は、図鑑を見ながら自然の中で生きる動物たちの絵を描いてもらうことで、動物の生態への理解を深めるプログラムを行っている。子どもたちは海を泳ぐイルカや砂浜のカメ、高い木の葉を食べるキリンなどを描きながら「いろんな特徴が分かって楽しい」と笑顔を見せる。孫さんも「子どもたちに教えるのは楽しいし、研究のアイデアも出てくる」という。

課題は運営資金。博物館は社会貢献の一環として事業費を確保してきたが、国からの支援確保が難しくなっており、研究費や企業からの助成などでやりくりしている。

博物館の大野照文教授は「子どもの考える力を伸ばすのは『国家100年の計』。学校の先生が忙しいのなら、人もノウハウもある大学を活用してほしい。学生たちも、自分の研究を分かりやすく伝えることの大切さを学べる」と話している。

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運営資金が厳しいというのはなんとももったいないですね。また、教授の言っている「自分の研究を分かりやすく伝えることの大切さ」というのは


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SANSUPO.COM(2008年1月 8日 付)

記事:

東北の科学に関する話題を分かりやすく取り上げた雑誌「テクノクロップス」の発売が仙台市の書店で始まった。新製品や大学研究者の横顔、子ども向け施設...。写真を多用、全ページがカラーの親しみやすい内容で、東北発の科学や企業の魅力を伝えている。

仙台に事務局がある特定非営利活動法人(NPO法人)「科学協力学際センター」(代表理事・川添良幸東北大金属材料研究所教授)が編集。昨年11月に創刊、小中学校や科学館、病院や銀行などに無料配布して好評だったため、書店販売を始めた。

最新の第3号では、過去に三陸地方などを襲った津波を今村文彦東北大教授が解説した。

地元の海水にこだわって塩をつくる秋田の企業組合男鹿半島振興会や、廃食油からつくる燃料で幼稚園のバスを動かす山形の「かねやま新エネルギー実践研究会」なども紹介。福島県いわき市の環境水族館「アクアマリンふくしま」の大水槽に先端技術が結集していることも取り上げた。

川添代表理事は「東北の各地で科学をベースに頑張っている人がこんなにいるよと若い人に伝えたい。大学生らの地元定着の一助にもなれば」と話し、年4回の発行を目指している。

A5判で36ページ、480円。問い合わせはセンターの事務局、電話022(261)9481。

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大人の科学など最近こういった雑誌が増えてうれしいですね。是非続けていって欲しいものです。また、東北地方限定ということですが、是非見てみたいですね。


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kenoh.com(2008年1月 7日 付)

記事:

燕市理科教育センターでは、1月26日午前9時から燕市勤労青少年ホームで今年度最後の親子おもしろ科学教室を開く。

作った物とレシピのおみやげ付きで、「色が変わる、変身焼きそばAND変身ホットケーキづくり」、「冬はこれで決まり!あったかカイロづくり」、「頑固な汚れもこれ一本!環境にも優しい良く落ちるEM廃油石けんづくり」などの面白い料理や工作を親子で体験し、11時半に終わる。

対象は市内に就学する児童、生徒とその保護者30組で、参加費は無料。参加者は三角巾、エプロン、作った物を入れる容器を持参する。

参加申し込みは1月7日から燕市中央公民館(総合文化センター内)で受け付けている。

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事前にこういった情報が新聞等に取り上げられるといいですよね


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科学新聞社(2008年1月 7日 付)

記事:

総務省統計局は12月11日、平成19年度科学技術研究調査結果の速報値を公表した。科学技術調査は、総務相統計局が毎年行っているもので、日本の科学技術に関する研究活動の状態を調査し、科学技術振興に必要な基礎資料を得るのが目的。

平成18年度の日本の科学技術研究費の総額は、18兆4631億円(対前年度比3.5%増)と過去最高で、7年連続の増加となった。また、対GDP比率も3.62%と過去最高となった。これは全体の8割を占める民間企業の研究開発投資が4.6%伸びているためで、大学等は0.7%のマイナスとなっている。性格別に見てみると、基礎研究費(2兆3756億円)、応用研究費(3兆7877億円)はともに0.9%の伸びだが、開発研究費(10兆9294億円)が5.5%と大きく伸びている。

産業別では、企業の研究所などが23.7%増と大きく研究費を増やし、次いで医薬品工業12%増、輸送用機械工業5.3%増などとなっている。

一方で大学の研究費を見てみると、国立大学が4.2%減の1兆4277億円、公立大学4.5%減の1765億円となっている中、私立大学は2.7%増の1兆7782億円となっている。学問分野別では、自然科学系が1.2%の減となっているが、特に理学は10.4%の減と大きく下がっている。

また、研究関係従業者数は105万2100人で、前年に比べて1.5%増えた。研究者が82万6600人(0.8%増)、研究事務その他の関係者が8万3200人(5.3%増)、研究補助者が7万3900人(3%増)、技能者が6万8400人(4.5%増)となっている。男女別に見ると、女性が10万8500人と全体の12.4%を占め、過去最高となった。

技術貿易動向を見てみると、平成18年度の技術輸出による受取額は17.8%増の2兆3782億円と過去最高になった。また、技術輸入による支払額は7054億円(0.2%増)と過去最高。技術輸出額を技術輸入額で割った技術貿易収支比率も3.37倍と過去最高となった。

技術輸出の相手国としては、米国(40%)を筆頭に、中国(8.9%)、タイ(7.9%)、イギリス(5.3%)、カナダ(4.6%)と続いている。一方、技術輸入の相手国としては、米国が73%と圧倒的に大きく、フランス、ドイツ、イギリス、スウェーデンなど米国以外の各国は数%程度となっている。(科学、12月21号2面)

コメント:

GDP比で最高となったのですね。理由を知りたいです


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タウンニュース(2008年1月 5日 付)

記事:

「第24回全国小・中学生作品コンクール」の理科部門で茅ヶ崎市立中島中学校(池田雅之校長)の山本祥貴君(1年)が全国中学校理科教育研究会会長賞を受賞した。これは文部科学大臣奨励賞、子どもの文化・教育研究所理事長賞に次ぐ3番目に評価の高いもの。

「驚いたけど嬉しかった」と喜びを噛み締める山本君。はじめに「茅ヶ崎市小学校中学校創意工夫・研究作品展」の研究部門(263点)で銅賞を獲得。そして同コンクールへの選定を通過し、受賞に至った。

研究テーマは「滑りやすさと材料や表面の関係について-静止摩擦係数の測定-」。きっかけは部屋を掃除していた時。父親と机を動かしていると、上にあった物の中で、滑るものと滑らないものがあった。「なんでこうなるのか」という疑問を抱き、研究を開始した。

実験ではペットボトル、重りなどを使用。物体の表面にプラスチックやラップ、紙やすりを貼り摩擦力の大きさについてレポートをまとめた。同校の理科担当の五十嵐誠教諭は「何かに疑問を持ち、それを解明する手順がしっかりしていた」と称賛する。

理科の授業が好きな山本君。「分からないことも実験によって理解できる。今度は静電気について調べてみたい」と意欲を見せていた。

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科学って仮説検証能力が身につくというのはこういった経験からなんでしょうね。


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産経ニュース(2008年1月 5日 付)

記事:

先端研究の成果を広く紹介しようと、奈良先端科学技術大学院大学(生駒市高山町)は、インターネット上に「NAISTバーチャル科学館」(http://museum.naist.jp//)を開設した。情報科学、バイオサイエンス、物質創成科学の3つの研究科の成果について、縦割りの垣根をなくし、テーマ別に再編成して分かりやすく紹介。同大学では「先端研究のテーマパーク」としての役割を期待している。

受験生など外部の人々に積極的に情報発信するとともに、子供のための理科学習など地域貢献にも活用することが目的。

「遺伝子」「細胞」「バイオ」など7つのキーワードを、画面上にびっくり箱のように並べて表示。それぞれクリックすると、さまざまな研究テーマと成果が項目ごとに詳しく紹介される。また、テーマごとに質問箱を設けており、電子メールを通じて研究者に直接質問することもできる。

「バーチャル科学館」には、同大のホームページからもアクセスすることができる。

コメント:

先端技術を積極的にわかりやすく表現することってとても大事だと思います


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CNET Japan(2008年1月 4日 付)

記事:

新年明けましておめでとうございます。本年もどうかよろしく御願い致します。

皆さんはイノベーション(Innovation)という言葉をよくご存知と思います。有名な経済学者のシュンペーター(オーストリー出身)が1911年に発表した著書「経済発展の理論」の中で初めて定義したそうです。さて、このイノベーションですが日本語に訳すとよく「技術革新」と言われてもっともポピュラーな外来語の一つになっています。小生も中学生のときにイノベーション(技術革新)と習った記憶があります。

しかし、実はこの「イノベーション=技術革新」というのは最近見直しの動きも一部に出ているようです。「誤訳」とは言わないまでも「誤解」を与えやすいというのがその理由かもしれません。「技術革新」の文言には実は奥深い意味がこめられているのだと思いますが、表面だけを見てしまうと単純な「Technology Development」というニュアンスが強くなってしまう様です。

本家本元のイノベーションの定義に小生が触れたのは某大学の先生と国内の学会で親しくなって、無理を言って当時勤めていた会社に講演にわざわざ来て頂いた時のことでした。その機会を得なかったら小生も「イノベーション=技術革新」だと思っていたことでしょう。イノベーションの本来の定義は「社会的意義のある価値を創造し、社会的に(中略)幅広い変革をもたらすこと(引用:ウィキペディア)」とされています。先生の言葉を拝借すれば「単なる技術開発ではなくて、それが社会に影響を与えることがイノベーションの本質」ということになります。つまり、社会に作用するというのはまさにその技術がそれなりに浸透して受け入れられなければならないということを意味するといってもいい。

小生は10回以上の渡米歴がありますが、シリコンバレーが特別優れたシステムを持っていると思ったことはありません。しかし、シリコンバレーがそれたり得るのはシュンペーターの定義通りに少なくとも「技術開発」と「ビジネス」が有機的にリンクしていることが大きな特長ではないかと思っています。斬新で画期的な技術というものはそんなに簡単には生まれるものではありませんが、本当に技術の価値が分かるのであればこれが世に出るための「形」が頭に描かれていてもいい。これは技術者自身がそれに気が付かなくても第三者が例えば特許を買ってビジネスを独自にスタートさせて発展させてもいい。

和製シリコンバレーは「本質的なイノベーション」を目指す場であればどんなにすばらしいだろうか。とかく、「高い技術力」に話は集中し易いが、日本が伝統的に弱いのは「技術力」ではなく、むしろイノベーションのもう一つの重要な要素である「ビジネス的な要素」の欠落、乃至は技術とビジネスの融合の弱さ、にあると小生は思っている。なぜ、日本の半導体技術開発関連のコンソーシアム(CASMAT、SELETEなど)に対する国内の評価は高くないのだろうか。和製シリコンバレーは(例えば)つくば市にある産総研を中心にして今からでもどんどん発展して行ってもいい。新たに作る必要は極論、ないと思います。要は「技術力」ということだけに囚われていては本質的なイノベーションが期待できないのではないか、と思うのです。

資金力なども非常に重要ですが、日本にはどちらかというと「プロの企業経営者」や「ビジネスマン」の方が圧倒的に不足しているように小生は感じています。技術者主導のシリコンバレーにビジネスセンスが期待できないというつもりは毛頭ありませんが、国家予算をふんだんに投下した和製コンソーシアムのこれまでの功罪を冷静に考えた場合に「どうなるんだろうなあ・・・」という思いがよぎってしまいます。産官学連携に加えて資金。これらの要素は本家シリコンバレーと全く同じはずです。なのに有効に機能していないのはなぜだろうか?と考えると、個人的にはどうしても「ビジネスセンス」に行き着いてしまうのです。開発した技術のOutput先が明確に描かれているのだろうか?と。

コメント:

「高い技術力」と「ビジネス的な要素」の対極の話、まさにその通りですね。


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岡山日日新聞(2008年1月 4日 付)

記事:

理科の魅力や学ぶ楽しさを紹介しようと「岡山理科大学周辺の自然と人間の営み」が、岡山市伊島町3丁目の県立児童会館で12日まで開かれ、多くの親子連れが訪れている。 同大博物館学芸員課程を履修する学生による作品展で、外来生物「ヌートリア」、中四国の地震など8組の作品を展示している。 初日は同大の3、4年生12人が参加し、体験しながら学べる作品を約100人の子どもたちに紹介。リニアモーターカーの模型による「フレミングの左手の法則」の実験、フナやオイカワなど同大周辺の水路に生息する水生生物と水質の関係の調査結果などについて、道具やパネルで分かりやすく説明した。 父と妹と3人で訪れた大江健斗君(10)=同市伊福町3丁目=は「理科がもっと好きになった」とにっこり。 同大と同会館は昨年12月12日に子どもの理数離れを防ぎ地域活性化につなげようと、教育と研究に関する協定を締結。同展示会は、取り組みの一環で行われている。

コメント:

イメージですが、岡山理科大学はこういったことを多く実施している気がします。


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asahi.com(2008年1月 4日 付)

記事:

女グセが悪かったアインシュタイン、美人数学者にふられたために「ノーベル数学賞」を作らなかったノーベル――天才科学者16人の恋愛遍歴から「いい男度」を判定する異色の列伝「恋する天才科学者」が刊行された。著者は東京大特任教員の内田麻理香さん(33)で、「科学に興味をもってもらうきっかけになれば」と話している。

異色の科学者列伝を書いた東大特任教員の内田麻理香さん=東京都文京区の東大で

内田さんは東大工学部の博士課程まで進んだが、子育てなどで中退。お菓子作りや母乳など身近な話題を科学の目で読み解く科学ライターに転じた。昨年7月から同学部の広報室で科学の楽しさを広める活動に取り組んでいる。

同書によると、アインシュタインは若いころから「イケメン」でモテモテ。不倫相手と再婚した後も「火遊び」を続けた。ノーベルは生涯独身だったが、婚約者がいる女性に恋をしたり、交際していた女性にお金をむしり取られたり。女嫌いだったニュートン、愛妻家だった南方熊楠、自伝にあった「女性との何か」を近親者に削除されてしまったダーウィンも登場。浮気性か家庭的かといった「いい男度」を一人一人判定している。

講談社刊。税込み1470円。

コメント:

こういった視点で科学者を見るのも面白いですね


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東京新聞(2008年1月 3日 付)

記事:

初日の出とともに、京都議定書の約束期間が始まって、地球環境は大きな転機を迎えています。政府はもちろん、企業や市民も、自らを変える転機にしたい年。

インドネシアのバリ島で先月開かれた国連気候変動枠組み条約第十三回締約国会議(COP13)。国際NGO(非政府組織)の会合に研究者として参加した名古屋大学大学院教授の竹内恒夫さんは「日本は変わってないな」と、ため息をつきました。

京都議定書で温室効果ガス削減の基準年とされる一九九〇年、竹内さんは環境庁の職員でした。

同じ目標、同じ議論
そのころすでに欧州では、地球温暖化問題が重大視されていて、温暖化対策の「二〇〇〇年目標」をつくるのが、流行になっていました。

オランダで前年に開かれた温暖化と大気汚染対策の国際会議に出席し、欧州の空気に触れた上司の発案で、その年創設されたばかりの地球環境部が、「日本版二〇〇〇年目標」をつくることになりました。

資源エネルギー庁に出向した経験のある竹内さんは、主に省エネを進める視点から、そのチームに招かれました。

竹内さんたちがつくった「地球温暖化防止行動計画」は、二酸化炭素(CO2)の排出が少ない都市構造やエネルギー受給環境、ライフスタイルなどへの転換を図ることにより、二〇〇〇年の温室効果ガス排出量を九〇年と同じレベルにするという目標を掲げています。

二〇〇〇年から九年目。京都議定書で日本は、CO2の排出量を五年間で6%減らす約束だ。ところが、九〇年比でいまだにゼロにはなっていない。それどころか、6・4%も増えている-。

「電力会社もガス会社も、私たち一人一人も、いいかげん変わらないかん」と、竹内さんは考えました。

世界は動き始めています。

米国は変われるか
バリ会議では、温室効果ガス削減の数値目標など、具体的な課題はほとんど先送りにされました。

それでも「バリ」の名は、地球環境史の上に、「キョウト」と並んで深く刻まれることになるはずです。

"ポスト京都議定書"の交渉に、米国を呼び戻した成果もさることながら、世界の温暖化対策が転換点を迎えた記念すべき場所として。

「ギアチェンジ。潮目は変わり始めています」

地球環境戦略研究機関気候政策プロジェクトのシニアエキスパート、水野勇史さんの感想です。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が第四次報告書で展開した人類の危機的未来図に、政治が反応し始めたのかもしれません。

途上国グループはこれまでずっと、「削減義務は一切拒否」の姿勢を崩しませんでした。

ところがバリでは一部の国が、「途上国も行動する」という意思を初めて表明しています。

中国も、サイドイベント(関連行事)で政府に近い要人が「二〇三〇年より前に排出量のピークを設定し、そこから減らす」と明言するなど、交渉の表舞台とは裏腹の変化の兆しを見せています。

温暖化への警鐘を鳴らし続けてノーベル平和賞を受賞した米国のアル・ゴア前副大統領は、議場での特別講演で「国民が正しく判断すれば、米国も変わるチャンスはある」と訴えて、喝采(かっさい)を浴びました。

米国内では、気候安全保障法案が上院委員会を通過しました。二〇年に〇五年比で19%削減し、政府主導で排出権取引制度を創設するという野心的な内容です。

州レベルでは、東部のニュージャージー州が、五〇年に〇六年比で80%の削減を義務づけるなど、"削減競争"の様相です。

ポーランドでCOP14が開催される十二月には、次の大統領が決まっていて、その人は、京都議定書を離脱したブッシュさんではありません。民主党候補が当選すれば、議論の流れも、"ポスト京都議定書"に至る「バリ・ロードマップ(行程表)」の道筋も、一気に変わってしまうでしょう。

温暖化だけでなく、地球環境問題が転機の年を迎えています。

変わり始めた政治や政府をさらに動かす"風"になるのが、私たち一人一人の行動です。地域の小さな変革です。私たちも変わらなければなりません。

「チーム・マイナス80」に
竹内さんは、脱化石燃料、脱自動車型社会への転換により、名古屋のCO2排出量を60%減らせるという自らの試算に基づいて、昨年六月、学生と「チーム・マイナス60」を結成し、企業、行政、市民への提言を始めたところ。

バリから帰国後、竹内さんはその看板を「チーム・マイナス80」に書き換えました。

「それくらいやらんと、いかんでしょう」

ことしこそすべてが変わり、持続可能な新しい時代がひらけることを願いつつ。

コメント:

温室効果ガスが出るようになったのも科学技術の進展によるものだし、逆に温室効果ガスを出さないようにできるのもまた科学技術なのです


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中日新聞(2008年1月 3日 付)

記事:

自民党は、経済成長につながる科学技術分野の研究・開発力を強化しようと、理数教育の強化や優秀な研究者の育成・確保に向けた「研究開発強化法案」(仮称)の検討に入った。中国などアジア諸国が国家戦略として科学技術力の強化を図っていることへの危機感があり、次期通常国会での成立を図りたい考えだ。

中心となっているのは、党科学技術創造立国推進調査会(船田元会長)。これまでの議論では、中国、韓国の研究開発費が2000年以降の約5年間で倍増されていることや、対抗して米国が科学技術投資の強化などを内容とした「競争力強化法」を制定するなど、各国の「科学技術強国化」の実情が報告された。

一方、国内では08年度予算案で科学技術振興費が1・1%増額されたが、財政状況を反映して依然、厳しい状況が続いており、関係者の間では「競争力が下がれば国力低下につながる」と懸念が広がっている。

コメント:

中国と韓国の研究開発費が過去5年で倍増とは驚きです。「科学技術基本法」もなかなか制定されないですし、是非実現して欲しいものです


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くまにち.コム(2008年1月 3日 付)

記事:

熊本大(崎元達郎学長)は、一月、同大大学院の博士課程在学者や博士号を持つ有期雇用職員らを登録する「人材データバンク」を開設する。女性や若手研究者の企業への就職を支援する取り組みで、全国的に深刻化する「ポストドクター(博士号取得後)」問題を緩和する試みの一つとして注目される。

大学改革で大学院の定員が急増したことなどから、博士号取得者が常勤の研究職に就けず、非常勤の研究員などとして働くケースが増えている。

人材データバンクは、男女共同参画推進室やキャリア支援課などが連携して運営。十日ごろから対象者に周知し、氏名や年齢、研究分野、職歴などの登録を呼び掛ける。登録者には企業の求人情報を提供し、就職に関する講習会などへの参加を促す。

男女共同参画推進室によると、対象者は約二百人。同室の緒方洋子コーディネーターは「大学ばかりでなく、研究を続けられる企業もあることを知り、女性や若手に複眼的な視点を持ってもらいたい。さまざまな支援で企業との出会いの場を提供していきたい」と話している。

コメント:

ポスドクが高学歴ニートになっている現状は企業とポスドク双方の意識改革が必要だと思います


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中国情報局(2008年1月 2日 付)

記事:

日本企業が中国の人材を様々な形態で活用し始めていることは前回お伝えしたが、大手の自動車メーカーも、仲介会社等を通して大連理工大学など中国の理工系大学からソフトウェア開発の技術を持つ中国人を採用している。日本では理工系の学生や自動車関連の技術者が非常に少なくなっていることと、中国の技術者のレベルが向上していることが背景にある。

それでは、技術があれば日本への留学経験や語学力は問わないのだろうか。この点が悩ましいところだが、日系企業の方に聞くと、技術の場合は、特に日本語が話せるということが重要だという。それは、日本語で仕様書を理解できて日本語で打ち合わせできないと、日本にいる技術者とのコミュニケーションが取れないためだ。英語が堪能、或いは中国語が話せる日本の技術者は非常に少ないため、中国人技術者を活用しようとすると、日本語ができないと仕事が進まないのである。そのため、来日前に日本語研修を受けたり、日本に来てからも日本語研修等に時間を費やしているケースが多い。しかし、グローバル化が進むなか、日本企業が根本的に抱えているこうした言語面での問題は大きなネックになる。英語が話せる技術者を増やすための具体的な措置が求められる。

一方、就職する側としては、日本への留学生はこれまでは希少価値があったが、優秀な中国の大卒との競争が激化しているため、今後は留学したというだけではなく、専門知識・経験等も持っていないと、差別化が図れないだろう。日本に留学したというだけでプレミアムがついた時代は終わったのである。それでも、留学生には日本の文化や社会の背景が分かるという意味での付加価値があるため、採用する企業としては、優秀な留学生を採用して本社でコア人材として育成することが中長期的に重要な戦略となる。

ソニーが中国で実施している直接採用の場合、現地で採用した後は日本語を教育して、日本において、まさに日本人社員の隣で働くことになる。日本語研修は来日前に3カ月間現地の日本語専門学校で行い、来日後も企業内でフォローアップする体制をとっているという。

このように、日本人技術者にとっても国境のないグローバルな人材競争が現実になってきている。中国人の立場から見ると、日本から中国へ戻って就職する場合は、技術系の業務だけでなく、他の職種でも現地人材との競争になる。これらを踏まえて日本企業が留学生に望むのは、まず日本語が仕事で使えることである。留学生を本社で採用するとしても、大半の企業は将来的に中国に派遣することを考えている。その場合、日本の技術者や管理者と電話一本で日本語で相談できる環境を作りたい。それができればそのブリッジ人材を軸に現地化を進めることが可能になる。そのためブリッジになる人材には、当然、高い日本語力が必要になる。

次に、分野に応じて、生産技術、知財、広報、人事、マーケティング・ブランディング、営業などの専門性を身につけていることが重要になる。新卒では経験がないために難しい面もあるが、こうした専門性を意識して大学生活を送ることは大事である。もう一つは、日本の企業文化をきちんと理解し、ある程度長期的な視野で考えられる人物かということだ。日本語ができて非常に優秀な人でも日本の企業文化に馴染まないケースも多いため、企業側としても、採用面接の際には自社のビジョンや理念をきちんと伝え、応募者の考え方や自社への適性度合いを見ておく必要があるだろう。入社してからミスマッチが明らかになっても遅いのである。

コメント:

以前、僕が働いていた会社で中国人(中国ではかなり優秀な大学)を採用しましたが、結局教育がうまく出来ず、彼の能力も十分発揮できず。。。という記憶があります


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東奥日報(2008年1月 2日 付)

記事:

北海道工業大学(札幌市)が中心となって開発し、一昨年、地方大学として初めて打ち上げに成功した人工衛星「HIT-SAT(ヒット・サット)」が、一年以上を経過した現在も順調に軌道を回っている。この開発プロジェクトの中心となっているのが、本県出身で同大学准教授の工学博士・佐鳥新さん(43)。初めての衛星は十二センチ四方、重さ二・七キロと小さいが、実用化を目指す農業衛星打ち上げに向けた大きな一歩。研究から派生する「宇宙ビジネス」も大きな可能性を秘めており、全国的にも注目を集めている。

佐鳥さんは青森市の佃中学校、青森東高校から筑波大学に進み物理学を専攻、東京大学大学院で電気推進工学などを研究。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の前身・宇宙科学研究所で小惑星探査機「はやぶさ」搭載のイオンエンジン開発に携わった。一九九七年、北工大に移り、応用電子工学を教える傍ら、衛星開発プロジェクトチームを率いている。

衛星は北工大、北海道大学と民間の有志が設立した大学発のベンチャー企業「北海道衛星株式会社」が打ち上げた。一般に衛星開発は国家プロジェクトとして数百億円規模の費用がかかるが、ボランティアの協力などで約三百万円の開発費用に抑えた。

同社社長も務める佐鳥さんは「ヒット・サットは人工衛星の姿勢を制御するためのデータ収集が主目的だが、それ以前に打ち上げそのものが実験だった」と語る。三年以内に完成を目指す、実証衛星「大樹(たいき)1号」の予備実験という位置づけもある。大樹には地上から制御可能な画像センサー、高画質画像をレーザーで送信する通信機能を備え、十三センチ四方、重さ十五キロとなる見込み。最終的には五十キロ程度の衛星を目指す。

小学校教師で、理科が専門の父・毅さんの影響で幼いころから理科、特に天体に興味を持った。小学生の時に電磁誘導の実験を試みたり、高校入試の面接では「将来、UFOを飛ばしたい」と夢を語った佐鳥さん。今も「ワープ(空間移動)できる機械をつくりたい」と目を輝かせ、「小型衛星の分野で、日本は世界をリードするチャンスがある。企業を巻き込み、産学連携により北海道や青森県のように地理的に不利な条件でも産業・雇用創出が可能になる」と故郷の発展に思いをはせている。

◇資金協力を呼びかけ

佐鳥さんのグループは人工衛星の研究開発をさらに進めるため、基金を設置し本県を含めた幅広い層からの支援、協力を求めている。基金参加費(寄付金扱い)は一口一万円。問い合わせは事務局まで。メールアドレスはyamazaki@hit.ac.jp ※「@」を半角にしてください

コメント:

近いうちに秋葉原で売っている部品で衛星が飛ばせる時代が来るかもしれません。しかし民間レベルでここまでできるのはすごいですね


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読売新聞(2008年1月 2日 付)

記事:

ロシア・西シベリアの永久凍土地帯で昨年5月に発見された貴重な凍結マンモスを世界に先駆けて公開する「奇跡のマンモス『リューバ』展」(読売新聞社など主催)が2日、東京駅前の丸ビルで開幕した。

リューバは、約3万7000年前に生後半年ほどで死んだとみられ、発見者の妻にちなんで名付けられた。開場1時間前から行列ができた。来月3日まで。

コメント:

子供のころマンモスって憧れでしたよね


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教育マルチメディア新聞(2008年1月 1日 付)

記事:

平成23年度から施行される新学習指導要領の審議のまとめが11月9日公表された。「審議まとめ」は、次代を担う子どもたちの主要能力(キー・コンピテンシー)「生きる力」をはぐくむことを目的とし、外国語活動や古典学習、言語活動などあらゆる視点から「生きる力をはぐくむ」教育実現に向けた方策が考えられている。

また、知識の習得、活用は主として「教科」で担い、探究は主として「総合的な学習の時間」で担うという各教科と総合的な学習の時間との役割分担が明確になり、「総合」と「各教科」の連携が図りやすくなった。教育課程部会では引き続き審議を進め、1月中に中教審として答申を取りまとめ、小・中学校については今年度内の改訂を目指すこととしている。

なお渡海文部科学大臣は「平成23年度以前に先行して実施できるものについては、平成21年度からは「移行措置」に入ることを踏まえ、平成21年度から実施したい」旨述べている。文部科学省では、平成20年度に新しい学習指導要領について十分な周知を集中的に図った上で、平成21年度から「移行措置」に入ることが検討されている。特に今回の改訂では授業時数や教育内容を増加する教科があり、「移行措置」期間中に必要に応じ内容を追加して指導することを検討する必要があるとしている。

今回の『生きる力』は深化している
中教審委員・角田元良氏(聖徳大学)
今回の『生きる力』は深化している。

今回の「審議まとめ」では、「生きる力」を子どもに身に付けさせるにはどんな能力をどのように付けるか、その方策が明らかになってきている。

OECDなどの国際的な研究成果からも、習得した知識を活用して主要な能力(キー・コンピテンシー)である思考力・判断力・表現力を身に付け探究させることが『生きる力』の育成につながる、と理論的に裏付けられた。表現力・コミュニケーション能力は、国語科を中核としながらも、全ての教科で養うべき能力であることが明示された。

今回の「審議のまとめ」で、もう一つ注目すべき点は、条件整備をきちんと求めている点。このことは、教師が子どもと向き合う時間を確保し、どの子にも、きめ細かな指導をするための必要条件であり、「生きる力の共有」を担保するものでもある。

国と、設置者である地方自治体の首長や人事権を持つ教育委員会等は、これを重く受け止め反映するとともに、税金を納めている我々国民も、その成り行きを厳しく監視し、その結果を検証していかなければいけない。

審議まとめパブリックコメント1140件
「生きる力」はぐくむ「理念」評価 
新教科「科学と人間生活」

中央教育審議会では「教育課程部会における審議のまとめ」を公表、パブリックコメントを募集した。コメントは郵便、FAX、電子メールなどを含め、1140件寄せられた。うち898件が電子メールによるもの。また、教職員からは約6割弱にあたる655件の意見・コメントが寄せられた。

パブリックコメントの内容について、文部科学省教育課程部会の報告によると、学習指導要領改訂の基本的な考え方(「生きる力」をはぐくむという理念の継承等)については、賛成の意見が多かった。また、教員からは、現行の学習指導要領で理念が実現しなかった原因について様々な見解が指摘された。

理数や国語等の授業時数の増加については、賛成との意見のほか、単に授業時数を増やすだけではただちに学力向上にはつながらず、教育内容や指導方法の改善・充実、条件整備が必要との指摘があった。

総合的な学習の時間については、時数を縮減しつつ内容の充実を図るべき、廃止することも一方策、成果を見極めるべき、現行の授業時数を維持すべきなど様々な意見があったが、特に条件整備の必要性の指摘が多かった。

中学校の選択教科については、廃止すべきとの意見と総合的な学習の時間の一部を学校の判断で充てることを可能にすべきとの意見の双方があった。

小学校における外国語活動(仮称)の導入については、条件整備の必要性を指摘しつつ賛成する意見が多かった。

高等学校の必履修科目の在り方については、地理歴史及び理科において、様々な立場からの意見があった。また、理科の新科目「科学と人間生活」に対する期待を指摘する意見が出された。

道徳教育の教育課程上の在り方については、教科化すべきとの意見、現行の位置づけを前提に地に足のついた取組みを進める必要があるとの意見、社会がきちんと模範を示す必要があるとの意見があった。

―― コメントから
「日本はもっと科学力を強化する必要があるにもかかわらず一般の興味は離れていく一方。そこで、『科学と人間生活』は今の時代最も必要な科目。国際問題(宇宙、石油、エネルギー)、国内問題(防衛、経済)などのニュースを中心に、基礎教科とはまた違った角度で世の中を見るようなものにすべき」

「教科学習の授業時数を増加させるとしているが、必要性を唱えるだけでは実効性あるものにはならず、授業時数だけが増えてますます子どもたちの『ゆとり』は奪われることになる。課題追究型の学習にとって、それを支える体制作りが不可欠であり、単に授業時数を増やすのではなく、30人以下学級の実現等の条件整備を優先すべき」

「小中学校の教諭の残業が増加しており、子どもたちの指導に直接かかわる業務以外の業務に多くの時間が割かれている実態が明らかになっている。今現場に必要なのは、真にゆとりがあって、子どもたちが楽しく学べる環境。教職員にゆとりがなければ、どんな素晴らしい提言も意味がない」

「根本的な入試(卒業)制度の改革がなければ、学校教育の質も、保護者の意識も、企業の採用方針も旧態然とした状況を変えることは困難」

IICT環境整備で事務効率化を
経団連が意見書
育投資効果訴え

社団法人日本経済団体連合会教育問題委員会は12月5日、教育課程部会における審議のまとめに対するコメントを中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会へ提出した。

それによると、「教育現場が、子どもたちの理解や地域や保護者の期待を踏まえた授業の質の向上に取り組むためには、学校や教員の創意工夫を促す環境整備が不可欠」「人事、予算、学級編成、教育課程の編成などに関する学校(校長)、市区町村教育委員会の権限を拡大すべき」であるとし、「国・教育委員会は、教育現場が抱える問題を専門的見地から助言・支援するとともに、教員の指導力や校長のマネジメント力向上に向けた研修、先進的な教育実践の普及などの取り組みを強化すべき」と述べている。

また、「教育投資の拡大については、教育界がその質の向上や予算執行の効率化に最大限の努力を傾けることが大前提」とし、「教員一人当たりの年間授業時数は主要先進国に比して少ないにもかかわらず、子どもたちと向き合う時間の確保が難しい」現状から、「事務処理にかかわる教員の業務軽減、ICT環境整備による事務効率化、外部専門家の活用などを進め、教員の指導力や授業の質の向上への努力を支援」が重要としている。

各論については「『ものづくり』については、理科、算数(数学)との関係も切り離すことができない」「ものづくりの土台となる理科、算数(数学)と連携した教育の推進」の記述を追加すべき」「ICTに関しては、『活用』を中心に述べられているが、『インターネットの仕組み等を分かりやすく教えることが、ICTに対する興味・関心を深めることや、ICTの光と影を理解させるために重要』である旨を記述すべき」としている。

教育条件の整備」に反響
教師が子どもと向き合う時間」確保のために

新学習指導要領には多くの課題が盛り込まれている。「審議まとめ」には、「教師が子どもたちと向き合う時間を確保」するために、教職員配置、設備、教科書・教材、ICT環境の整備も含めた学校の施設など「教育条件の整備」が必要、としている。各関連団体からは「教育条件の整備」について期待が込められたコメントが多くあった。

◇   ◇

▽全国公立学校教頭会「今回よい方向に舵を切ったと思うが、この方向を推進するためには、教員数の増などの条件整備が不可欠」

▽全国公立小中学校事務職員研究会「教育条件の整備が重要であることが盛り込まれたことは画期的。学校マネジメント機能の強化のための事務職員の定数改善、学校での内部委任等の事務処理体制の強化、武道の必修化にともなう指導者の確保や施設の整備等の条件整備が必要」

▽全国公立高等学校事務職員協会「教科の指導の充実や事務処理の効率化のため、教員一人に一台のコンピュータを整備することが必要」「事務職員が教育課程の編成に携われるような能力の育成が必要であり、教員が参加するマネジメント研修に事務職員が参加できるようにすべき」

▽日本商工会議所「ICTを活用した授業は効果的。教員のICT活用能力の向上や学校のICT環境の整備を推進すべき」「教員の事務負担の軽減を図り、自己研鑽の時間を確保すべき」

▽全国連合小学校長会「少子化が進んでいるものの教員は諸課題の対応に追われ、児童と十分に関わる時間を確保しにくい状況にある。一人一人に対しきめ細かな教育を行うためには条件整備が必要」「全国学力・学習状況調査の活用については実施上の課題を分析し、その必要性や方法を常に見直すことが必要」「体験的な活動」は大切であるが、各学校により条件が異なるので、条件整備が必要」

▽財団法人全国高等学校体育連盟「教師の事務負担軽減を中心とした教育条件の整備が必要」

PISA2006と新学習指導要領
「科学への興味関心」早急な対応必要

OECD生徒の学習到達度調査(PISA2006)の結果が全世界で同時発表された。渡海文部科学大臣はこれについて「順位が下がったのは残念。成績の問題もあるが、1番気になったところは科学に対する子どもの関心が低下しているという結果」「学習指導要領が決まれば、できるだけ速やかにやれることからやるべき。今回のPISAの結果も踏まえ、どこからやれるのか、またどこがやれるのか、スピーディーに検討していきたい」と述べている。

文部科学省では「特に、今回のPISAの結果を踏まえると、先行して実施する内容としては、まずは指導内容の増加が見込まれる算数・数学、理科を対象として検討を進めていくことが必要」「基礎的・基本的な知識・技能の定着とPISA調査で重視している思考力・判断力・表現力等の育成の双方を車の両輪としてはぐくむことが重要」としている。

コメント:

時間数の増加だけではなく、中身とりわけ教師の質向上が求められています。そしていつも行っていることですが、遅い。本当に取り組みが遅いです。


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南日本新聞(2008年1月 1日 付)

記事:

鹿児島人工衛星開発部会が製作した衛星の試作機=鹿児島市川田町 「鹿児島人工衛星開発部会」(部会長・西尾正則鹿児島大学理学部教授)が開発している鹿児島人工衛星(KSAT)の試作機が、このほど完成した。2009年春、海外からの打ち上げを目指す。

試作機は鹿児島市川田町の金型工場「東郷」で組み立て。一辺10センチのサイコロ型本体に、太陽電池パネル4枚とカメラ付き姿勢安定ブームを装備。1月から約2カ月間、振動試験や熱環境試験を行い、3月末に実際に打ち上げるフライトモデルが完成する。

KSATは、衛星が発した電波を複数の地上アンテナで受信し、大気中の水蒸気分布を調べ集中豪雨をもたらす雨雲の発生を予測する。

宇宙航空研究開発機構は06年度、08年夏に種子島からH2Aロケットで打ち上げる温室効果ガス観測技術衛星に相乗りさせる小型衛星を民間から募集。KSATは同時期の打ち上げを希望する13件の候補リストに登録されたが、07年5月の最終選考で落選した。

打ち上げるロケットが未定のまま開発は継続。現在、09年4-6月ごろ、ほかの民間小型衛星と共同で、海外のロケットに搭載する方向で調整している。海外のロケットを利用する場合、打ち上げ費用が数百万円かかるため、今後は資金の調達が課題となる。

鹿児島人工衛星開発部会は、鹿児島大学の研究者や学生、県内中小企業の技術者らでつくる産学官連携グループで05年10月設立。

西尾部会長は「非常に満足な出来栄え。開発成果が形となり、打ち上げに一歩近づいた」と話した。

コメント:

小型衛星は日本が海外と戦える数少ない航空宇宙の分野ですね


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Yomiuri Online(2008年1月 1日 付)

記事:

真剣な表情で機械を操作する安東さん(直方市の工場で) 従業員6人の小さな町工場。安東勝征(かつゆき)さん(62)(北九州市八幡西区)がスイッチを入れると、「シュイーン」と、人工ダイヤ製の刃が高速回転する音が響いた。

安東さんはこの機械で金属を削り、工業製品の基礎になる金型を作っている。その腕は、コンピューター制御に比べ倍以上の精密な加工が可能で、北九州市のマイスター(高度技能者)にも選ばれている。

金型に樹脂を流し込み、様々な部品が作られる。大手家電メーカーから届いたDVDプレーヤーの部品用金型の設計図。直径5ミリの丸い穴を開ける時に許される誤差は1万分の5ミリから1000分の1ミリ。髪の毛の太さの100分の1程度の狂いが、大量の部品をだめにしてしまう。

ミクロの作業では耳が頼りだ。雑音の中から刃と金属がこすれ合う「ジャリ、ジャリ」という音を聞き分けて削り具合を確かめ、驚異的な速さで仕上げていく。「時間をかけると、刃による摩擦熱で金属が変形し、狂いが生じる」からだ。

「やわらかいアルミが一番難しい。気温が1度上がるだけで、髪の太さほど延びることもある。コツを覚えるまでに2年かかった」という。金属の種類ごとに最適な刃の回転数を選び、削りながら金属を水で冷やすなどの一手間も加える。

ここに至るまでの道のりは険しかった。16歳の時、大手金型メーカーに入社して基礎を学んだが、20歳代半ばで病院事務員に転職し、営業職なども経験。生活が安定せず、蓄えも尽きかけた40歳の時、金型づくりに戻った。「結果的に、若いころに学んだ技術が身を助けた」と振り返る。

当初は、機械代金などで月々の返済が100万円を超え、失敗して材料費を弁償したことも。「あきらめることが悔しくて、毎日20時間働いた。ブランクはあったが、必死に働くうち、自然に技が身についた」

手先が器用なわけでもなく、性格も大ざっぱだという。「ものづくりに性格は関係ない。『何としても仕上げる』という気持ちがあれば大丈夫」と笑う。

「どんなに難しい注文でも、『頼ってくれたお客さんを裏切れない』と引き受けていた。信念を貫く夫の姿は尊敬できた」と妻の美津子さん(56)。父親の背中を見て育った長男の信之さん(31)は「地味な仕事だが、うまく加工できた時の達成感は何物にも代え難い」と、後を継ぐ道を選んだ。

燃料費の高騰やアジア各国の追い上げなど、日本の中小製造業を取り巻く環境は厳しい。安東さんは、低賃金の短期派遣型社員の増加など、雇用体系の変化を懸念している。「縁の下で支える中小の技術はまだまだ捨てたもんじゃないが、若い技術者をじっくり育てる環境が崩れつつある。確かな技を継承していかないと日本は危うい」と。

コメント:

技術の伝承は昔と同じやり方ではだめだと思う。ただ、捨ててよいということではない。日本を支えているのは紛れもなくこういった技術によるものが大きい


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北海道新聞(2008年1月 1日 付)

記事:

月探査衛星「かぐや」が、漆黒の宇宙の中に、青く美しい姿を映し出した地球が危機にある。

二○○八年は、主要国首脳会議(サミット)が、北海道洞爺湖で開かれる年だ。主なテーマは、温暖化から地球をどう救うかだ。 地球温暖化は、石炭や石油を用いて便利で快適な生活を追い求めてきた近代文明が、知らず知らずのうちにもたらした結果であり、ようやく深刻さが分かってきた。

今世紀半ばまでに、環境は激変する。このままだと人類が生き延びられるかどうかの瀬戸際にさしかかるのは、ほぼ間違いない。 しかし、現代の先進国に生きる私たちの多くは、気象などの異変を感じながらも、まだ、どこか人ごとのようにとらえているのではないか。

「自分の生きているうちは大丈夫だろう」。そうかもしれない。だが、子孫はどうなるだろう。 遠い将来のことではない。干ばつ、気温上昇、洪水などで、まず被害に遭うのは、貧しい国の人々だ。 言葉を発しない動植物は、すでに数多くの種が滅びたり、生存が危ぶまれたりしている。

*近代都市文明のおごり

米地質調査所によると、四十年後、いま二万頭いる世界のホッキョクグマが三分の一に減る。餌場である北極海の氷が、夏になると解けて、生息が難しくなるからだ。

ドイツ・ベルリン動物園に、母親の育児放棄で話題になったホッキョクグマがいる。名前はクヌート。愛くるしさで菓子や記念硬貨のモデルにもなった。 クヌートをかわいがる人間が、世界のホッキョクグマの運命に無関心でいられるだろうか。

ともに生きてきた地球の仲間が危機にある時、同情や痛みを感じないとすれば、おごりのツケは自らに回ってくるのではないか。 考えてみると「自然を守れ」という言い方は人間のおごりかもしれない。人間が自然に守られている、あるいは人間も自然の一部にすぎない-。遠い昔は広く共有され、いまもアイヌ民族などに残る思想だ。

そのように考えなくなったのは近代の工業・都市文明からだと言ってよい。地球環境を悪化させた要因は、消費をあおり、資源をムダ遣いして顧みない経済・社会の構造にある。

*温暖化が国際紛争生む

国であれ企業であれ、個別の利益が優先され、社会全体の利益は考慮されないどころか、かえって損なうことが往々にして起こる。また今日、国境を越えた投機的なカネの動きがこうした傾向に拍車をかけ、各国の中でも、世界的にも経済格差を広げている。これ自体がサミットの大きな課題だ。

「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は昨年まで、四次にわたり報告書を発表してきた。 それによると例えば、二○五○年代のアジアでは、穀物収穫量が最大三割減り、一億三千万人が新たに飢餓状態になる恐れがある。 飢えや貧困の広がりは、資源をめぐる国際紛争につながる。

国連開発計画の報告書は、米フロリダ州のエアコン一台が一年間に出す温室効果ガスの量は、カンボジアの国民一人が一生かかって出す量より多い、と指摘している。

自分たちが豊かになっていないのに、先に発展した国のせいで、真っ先に温暖化の影響にさらされる。発展途上国には、理不尽な話だ。 しかし、いま先進国が享受しているのと同じスタイルの豊かさを、いずれは世界中が達成できる、と考えるのは難しい。

*国超えた世論の連帯を

だからこそ、資源を節約しつつ、先進国が途上国を資金・技術支援する仕組みが不可欠だ。 IPCC統合報告書は、今後二十-三十年の努力と投資が、地球の将来の鍵を握ると指摘した。これを受け、国連の潘基文事務総長は「科学者が声を一つに合わせた。次は世界の政治家の番だ」と述べた。 先進国と発展途上国、また先進国間でも対立する利害の調整を強く促したものだ。

先頭に立って汗をかくのは、サミットのホスト国で、国際協調のもとでしか生きられない日本でなければならない。従来のように模様眺めをしている場合ではない。そして政府や企業の背中を押すのは世論だ。各国の世論が連帯し、国家の利害を超えた、地球民主主義とも言うべき考え方が求められる。

世界各地で脱温暖化の住民運動が起きている。 家庭のごみを少なくする、地産地消を広げる、環境問題に不熱心な企業の製品は買わないなど、脱温暖化は一人一人の生き方にもかかわる。 一層の工夫が必要だし、負担も覚悟しなければなるまい。

 「高齢者は、自分がその下で憩うことのない木を植える」 二十世紀を代表する米国の評論家ウォルター・リップマンの言葉だ。 高齢者を「現代人」と置き換えてみよう。民主主義は、その時代に生きる者の幸せだけでなく、子孫の幸せをも視野に入れなければならない、ということだろう。

地球環境という共通の課題を通じて、人類の未来への「想像力」をめぐらせ、行動する時である。

コメント:

今、そこにある危機を危機として認識しないのは、いずれにしても人間の本能何でしょうか。
そういえば、地球温暖化がCo2をはじめとする温室効果ガスによるものということは、科学的にはっきりしたのでしょうかね。最近のアメリカ商業主義に押されてこのようなことを気にする人はいなくなってしまったのでしょうか。


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京都新聞(2008年1月 1日 付)

記事:

2008年は、病気や事故などで傷んだ臓器・組織を修復する「再生医療」の元年となりそうだ。人間の体細胞から、あらゆる細胞や組織になる可能性を秘めた万能細胞「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」の作製に、京都大の山中伸弥教授が世界で初めて成功したからだ。「ノーベル賞級」との賛辞もある中、世界の研究者が実用化へ動きだしている。

「臨床医(整形外科)だったのに、いま基礎研究をしているのは、もっとたくさんの人の役に立ちたいと思ったから。20年間研究を続けてきて、ようやく、そんな細胞に巡り合えた」。昨年11月にiPS細胞の作製成功を発表以来、多忙を極める中でも山中教授はかみしめるように話す。

先に研究が進み、iPS細胞と同じ能力がある「ES細胞(胚(はい)性幹細胞」が再生医療の本命と見られていたが、受精卵から作るため、倫理面に問題があるとして研究に大きな規制を受けていた。そこに登場したのが、人の皮膚細胞から作るiPS細胞だ。京都の研究室から生まれた「夢の細胞」を治療に用いる研究は既に始まっている。

「iPS細胞を使った臨床研究は、安全性の試験と(治療に最適な)患者の選択を並行して行えば、1年以内にも開始できる」。昨年末に京都市内で開かれたシンポジウムで、理化学研究所の高橋政代・網膜再生医療研究チームリーダーは、iPS細胞を使った網膜再生で、黄斑変性など目の難病の治療実現が近づいていることを訴えた。

慶応大の岡野栄之教授は、脊髄(せきずい)を損傷して後ろ脚がまひしたマウスに、マウスのiPS細胞から作った神経前駆細胞を移植して、後ろ脚に加重できるまで回復させたことを明らかにした。「神経系の再生では、iPS細胞を使えばES細胞と同等の治療効果が得られると確信した」という。山中教授から譲り受けたヒトiPS細胞を使った研究も本格化させる。

■米と競争激化

日本と激しい研究競争を繰り広げる米国でも、マサチューセッツ工科大のチームが、マウスからiPS細胞を作り、さらに遺伝子組み換えして戻し、遺伝性の貧血を改善させることに成功した。

米国ではiPS細胞の研究に、10年間でカリフォルニア州政府が3000億円、マサチューセッツ州が1200億円という巨額の投入を決める中、日本も異例の速さで山中教授の支援を決めた。iPS細胞の特許を米国に独占され、日本発の研究成果が自由に活用できない事態が懸念されたからだ。

文部科学省は今後5年間で100億円を研究費に支出する方針で、京大は全国の研究者が集う「iPS細胞研究センター」を年内に着工する。最終的には延べ1万平方メートルの施設規模で、再生医療を実現するための研究拠点として期待は高まる。

山中教授のもとには、日米の製薬会社から共同研究の申し込みが殺到している。iPS細胞から作った組織にどんな成分が効くかを試し、新しい治療薬を開発する研究はすぐにも始まりそうだ。

■法整備が急務

iPS細胞は皮膚などの体細胞に、ウイルスベクターと呼ばれる運搬役を使って特定の遺伝子を導入して作製するが、「そのウイルスベクターや遺伝子が将来、がんを引き起こす可能性もある」と、京都大の中辻憲夫教授(物質-細胞統合システム拠点長)は安全面の問題を指摘する。そこで同拠点では、遺伝子の代わりとなる化学物質を使ってiPS細胞を作製する研究を進める。

iPS細胞の研究と臨床応用に関するルール作りも、これからだ。ES細胞のように受精卵を壊さずに済むが、倫理面の問題はすべて解決されたわけではない。iPS細胞からは精子や卵子、それらを使った受精卵の作製が理論的には可能だ。iPS細胞の作製は比較的容易なため、民間企業も含め研究が野放し状態になる恐れもある。

京都大の位田隆一教授(生命倫理)は「日本は生命倫理をどう扱うかという法的な態勢が遅れている。生殖補助医療に関する法律を定め、iPS細胞から作られる生殖細胞についても取り決めを設けるべきだ」と話す。

コメント:

昨年の大きな話題と言えばこれでしょう。倫理問題は国民的にも議論しなければならない話題ですが、盛り上がらないですね。ただ、日本としての支援がすばやく実現できたことは評価しています


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日本経団連タイムス(2008年1月 1日 付)

記事:

日本経団連は12月12日、都内で岸田文雄内閣府特命担当大臣との懇談会を開催した。岸田大臣は、わが国最初の知財戦略担当の特命大臣であり、日本経団連の知財関係幹部との懇談は今回が初めてとなる。

会合の冒頭、あいさつに立った榊原定征日本経団連副会長は、「『知的財産立国』をめざした取り組みにより、わが国は先進的な知財制度を持つ国になった。今後は、わが国の経験を国際的に役立てていく必要があり、政府としても、世界特許システムの実現に向けた取り組みや模倣品・海賊版対策など、新しい国際秩序の形成に向けて積極的な活動を推進していただきたい」と述べた。

続いてあいさつを行った岸田大臣は、「わが国では、知財戦略を国家戦略の一つとして位置付け、政府、産業界によって多面的な取り組みを推進し、着実な成果を上げている。しかし、技術進歩のスピードは速く、市場構造も釈的な変化を示している。わが国経済の国際競争力を維持し、持続的な成長を図るため、先般、分野別の知財戦略を取りまとめた。戦略では、知財政策の基本理念として、『技術』『市場』『制度』の三つのフロンティアの開拓を掲げている。政府と産業界が連携し、この『知財フロンティア』を広げ、知的創造サイクルをより大きく回転させていかなければならない」との基本的な考えを示した上で、特に、(1)環境技術に関する知財戦略への取り組み(2)国際標準化活動の強化(3)産学連携の推進――の3点について言及した。特に国際的な取り組みが必要とされている環境問題については、「わが国の環境技術をもっと世界に使ってもらい、環境問題の解決のために積極的に貢献していく必要がある」との認識を示し、産業界に対して、「国際貢献の観点を踏まえた知財戦略の取り組みについて検討してもらいたい」と提案した。その後、分野別知財戦略の内容について、素川富司知的財産戦略推進事務局長から紹介があった。

■意見交換
引き続いて行われた意見交換では、まず日本経団連側から発言があり、野間口有知的財産委員長から、「わが国の知財戦略への取り組みは08年で7年目となる。これまでの施策がどの程度イノベーションの促進に寄与したのか、ここで一度、総合的なレビューをしておく必要があるのではないか」との考えが示された。また、岸田大臣から提案のあった環境技術に関する知財戦略については、「企業競争力に影響がある場合や意図せざる技術の流出が起こってしまう場合を除いて、正当な対価が得られるのであれば、広くライセンスを行うことでわが国の技術を普及させ、世界の環境問題の解決に役立てるべきとの考えに賛同する」との見解を示した。

続いて、吉田信博国際標準化戦略部会長から、「産業界としても国際標準の重要性に対する認識をより一層深めていく必要がある。日本経団連では、『技術の国際標準化に関するアクションプラン』を策定し、啓発活動を推進している」との発言があった。

また、加藤幹之企画部会長からは、「オープンイノベーション時代においては、一つの企業だけで技術開発を進めることが難しくなっている。ネットワーク化の進展によって、技術者のコミュニティーや個人など、組織を超えてイノベーションが創出される動きもある。このような状況の中、大学にはさらなる知の発信が求められており、産業界としても連携に努めていきたい」との発言があった。

続いて、政府側から発言があり、素川事務局長は、「これまでの知財に関する施策のレビューについては、『知的財産推進計画2008』の策定に向けて、適切な評価のあり方を検討していきたい」と述べた。また、肥塚雅博特許庁長官からは、「世界特許システムの実現に向けては、(1)審査プロセスにおける情報交換(2)審査基準の調和(3)米国の特許法改正などを踏まえた実体的制度調和――の三つの方向から取り組みを進めたい」との発言があった。

最後に岸田大臣から、「本日の議論を通じて、知財戦略のあり方が経済活動に大きく影響することを実感した。また、環境技術に関する知財戦略のあり方について、わが国の環境技術を広くライセンスし、世界の環境問題の解決に貢献していくとの考えに、一定の条件の下で賛同いただいたことに意を強くした。政府としても、特許制度の国際調和や技術移転を促進するための施策の充実などに取り組んでいきたい」と述べ、引き続き産業界と連携して知財戦略を推進していくことを表明した。

コメント:

恥ずかしながら知財戦略担当の特命大臣というのをはじめて知りました。日本は保護の観点からも利用の観点からも知財関連の法整備が遅れているので、この点僕も勉強します


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日本経団連タイムス(2008年1月 1日 付)

記事:

日本経団連は12月18日、提言「高度情報通信人材育成の加速化に向けて-ナショナルセンター構想の提案-」を発表した。同提言は、現在、日本経団連の情報通信委員会高度情報通信人材育成部会(山下徹部会長)が中心となり、産学官連携の下に推進している高度情報通信人材育成の取り組みを、全国へと展開・加速するため、その具体的方策を取りまとめたものである。

情報通信技術(以下、ICT)は、わが国の企業活動および国民生活にとって不可欠なインフラであり、産業の国際競争力や安全保障等の国力に大きな影響を及ぼすまでになっている。しかし、産業界が求める高度ICT人材は釈・量ともに不足しており、日本の大学が輩出する人材との間に大きなギャップが存在している。

提言の第1章では、以上のようなわが国の現状を述べ、第2章では、こうした状況を踏まえた上での日本経団連と政府のこれまでの取り組みを紹介している。日本経団連は、2005年6月に公表した提言の中で、新たに「先進的ICT教育拠点」を設立することを提案した。そして、そのモデルを実証・確立するため、筑波大学、九州大学を重点協力拠点と位置付け、産学連携を進め、今年4月から、2大学の大学院修士課程において、産業界のニーズに対応した新たな高度ICT人材育成のモデルコースが開講の運びとなった。現在も、産業界から企業のトップ人材を教員として派遣し、コースの運営、カリキュラムや教材開発等を共同で実施し、大学教育では前例のない大規模な産学連携を推進している。

第3章では、このような高度ICT人材育成の取り組みを加速化し、全国に展開する上での課題について述べている。ICTが社会基盤を支える重要な役割を担っており、その人材育成が全産業分野の国際競争力に直結しているという認識が社会的に欠如していることを強調。その上で、産業界と大学側が抱える問題を指摘し、協力企業の自発的努力の上に成り立っている日本経団連の高度ICT人材育成の取り組みを持続可能にするための体制を、国家戦略として確立する必要があるとしている。

第4章では、その具体的方策として、日本経団連が推進している高度ICT人材の教育モデルを全国の大学に普及・拡大するため、推進母体となるナショナルセンターを設立することを提案している。韓国は、かつて金融危機に直面した時、ICT産業により国を立て直すため、政府自らがICT教育のナショナルセンターであるICU(情報通信大学)を設立し、優秀な学生を輩出する体制を確立しており、それが同提言のモデルにもなっている。

同センターでは、実践的ICT教育の研究、モデルカリキュラムの策定、大学と支援企業を結ぶハブとしての役割、教員の養成等を行い、これらの機能の有効性を実証するための場として、ICTと他の専攻を一緒に勉強できる融合型専門職大学院を附設することも提案している。

第5章では、ナショナルセンターと融合型専門職大学院の設立に向けたタイムフレームを提示し、準備作業への着手が急務であることを示している。

そして第6章では、同提言で提唱する教育体制を確立することが、ICT分野での国際競争におけるわが国の劣勢を挽回する方策であることを強調し、産学官の一致団結を呼び掛け、締めくくっている。

コメント:

中ではナショナルセンターと言っていますが、産学官の連携した取り組みが求められているということですね


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