2006年12月アーカイブ

出典:

Nikkei net(2006年12月27日 付)

記事:

東京大学は27日、遺伝子研究に関する研究論文で不正をした疑いをもたれていた多比良和誠・工学系研究科教授(化学生命工学)と実験を担当した川崎広明助手の2人を同日付で懲戒解雇処分にしたと発表した。東大の懲戒処分のなかで最も重く、浜田純一副学長は記者会見で「捏造(ねつぞう)は確認できなかったが、論文に信ぴょう性や再現性は認められない。科学研究の根幹にかかわる問題で厳しく処分した」と説明した。

東大によると、問題となったのは多比良教授が英科学雑誌「ネイチャー」などに発表した遺伝子研究に関する4本の論文。多比良教授らから提出された実験データを検証したが、4本とも信ぴょう性や再現性(実験を繰り返しても同じ結果が出る)がなかったため、学内の懲戒委員会が処分を検討していた。

懲戒委は多比良教授は「研究室の最高責任者として指導監督などを怠った」と指摘。川崎助手は「実験ノートを記録しないなど論文作成者として守るべき義務に違反した」とした。

コメント:

最近こんな話題ばかりです。。


出典:

asahi.com(2006年12月26日 付)

記事:

小中学生の理科離れを防ごうと、お茶の水女子大学(東京都文京区)が東京都北区と協定を結び、小中学校の理科の授業をサポートしている。講師たちが電子顕微鏡などを持ち込み、ミクロの世界を子どもたちに堪能させる。先生も大学側の助言を得、「理科の授業の研修」として授業を進めている。子どもも先生も学べる一石二鳥の試みだ。

11月末、北区西ケ原1丁目の区立滝野川小学校で、4年生の理科の授業が始まった。お茶の水大非常勤講師の宮本康司(こうじ)さん(31)たちが顕微鏡を持ち込み、準備している。生き物や植物の様子を拡大して調べるのがテーマだ。

お茶の水大と北区が「相互協定」を結んだのは、04年3月。子どもたちの理科離れを心配していた同区の高橋哲夫教育長が、知人の同大サイエンス&エデュケーションセンター長の千葉和義教授に持ちかけ、実現した。廃校を利用した土曜日の実験教室なども盛り込まれている。「出前授業」はこの7月から始め、区内の小中学校計8校で実施、来年3月までにさらに計3校で行う。

この日の授業では、児童はサクラの芽やタンポポの綿毛を虫眼鏡で観察した後、1人に1台用意した顕微鏡で拡大。「でけー」「ありえなーい」と歓声が上がった。

「もっと小さな世界も見られますよ」。同小の大貫淑子先生(50)が、電子顕微鏡でとらえたカマキリの卵を見せる。「この大きさが、実際の1ミリです」と手で示すと、「えー!」。驚きの声が上がった。

「子どもの興味を引くには、未知の世界を見られる顕微鏡が必要」と宮本さんは話す。待つ子が出ないよう顕微鏡は人数分そろえ、高倍率の電子顕微鏡を活用する。

しかし宮本さんらは、使用法を説明するだけ。授業の進行を務めるのはいつも通り大貫先生だ。同小の林四郎校長(58)は「小学校の教員は文系出身が多い。理科の授業に『恐怖感』を抱く人が目立つ」と指摘。この取り組みにより「大学側と事前に打ち合わせをしてから授業に臨むことで、進め方を学べる」と説明する。

大学側が小中高校の出前授業をする例は各地で広がっているが、宮本さんによると、大学の教員が出前授業に訪れると、現場の先生は見ているだけになりがちだという。「先生が実験のやり方などを覚えれば、継続して中身の濃い授業が出来る」と意義を語る。

林校長は「理科は人間生活の土台となる教科。児童も教員も、大学のノウハウを吸収出来れば」と話している。

コメント:

驚きって大切ですよね。興味につながります。そして何よりも大切なのは先生が授業の仕方を知れることですね。


出典:

asahi.com(2006年12月26日 付)

記事:

福岡県内の高校生らを対象にした調査で、女子は男子と比べ、理系科目に苦手意識を持つ傾向が強いことが、福岡市のNPO法人「福岡ジェンダー研究所」の調査でわかった。中学時代の理科実験の中心的役割は男子が担うケースが目立つなど、女子が理系分野に劣等感を抱きやすい現状も浮かび上がった。

福岡県男女共同参画センターから調査を委託された研究所が05年11月、福岡県内の6高校8クラスの約2千人や保護者を対象にしたアンケート、大学生や大学院生に対するグループインタビュー、技術職に就いた女性へのインタビューなどを実施した。

高校生に、芸術や家庭も含む16科目について得意か苦手かを尋ねたところ、得意は「理科(物理)」は女子5.6%、男子22.3%、「数学」は女子34.8%、男子46.4%で、理系科目では男子の方が高かった。

中学時代の理科実験での役割については、「実験器具を使って、実験の中心となった」が、男子は52.6%と過半数だったが、女子は38.8%にとどまった。

一方、理系と文系の女子高校生を比較すると、「子どもは3歳までは母親が家庭で育てたほうがよい」という質問項目で「とてもそう思う」と答えたのは、理系志望で27.5%と文系志望の20.8%を上回り、性別役割意識は理系志望の方が高かったという。

保護者は、娘に対し「理系への進学を望んでいる」が47.5%で、「文系への進学を望んでいる」より7ポイント高く、娘の進路に理系を希望する保護者が目立ち、資格取得志向も強かった。

調査研究報告書についての問い合わせは、同センターあすばる(092・584・1261)まで。

コメント:

性別役割意識は理系志望の方が高いということは、結果的に女性研究者は定年までいることが少ないのでしょうか。また、中学時代の実験の主体性との係わりは面白い結果ですね。


出典:

Nikkei net (2006年12月21日 付)

記事:

「実験データがあると言うが裏付けるものがない。調査の結果、不正だったと確信している。反省の色も見られない」。記者会見で馬越佑吉副学長は、強い口調で杉野教授を批判した。

国立大学の法人化をきっかけに、大学同士の競争を促す一方で、大学の透明性や公正さが一段と求められる中、不祥事に対して厳しい姿勢に転じる傾向が強まる。

京都大は今年3月、大学の承認を受けずに企業から研究費などを受け取った教授を懲戒解雇にしたほか、早稲田大は10月、国の研究費を不正受給した理工系教授を1年間の停職処分に決め、辞職させる方針を表明した。

個々の研究活動は著名な専門誌に載った論文の数で評価され、研究費に反映される。国は優れた研究に手厚く配分する競争的研究費を増やしており、論文の改ざん・捏造は国費の不正利用に直結する。大学のイメージを著しく損なうことになるだけに、大阪大は懲戒解雇というより厳しい処分を下した。

関連記事

論文捏造、大阪大教授を懲戒解雇

コメント:

モラルが問われています。


出典:

asahi.com (2006年12月20日 付)

記事:

大阪大生命機能研究科の杉野明雄教授(63)が米国の専門誌に投稿した論文のデータを捏造(ねつぞう)していた問題で、同大学は20日、杉野教授を同日付で懲戒解雇処分にしたと発表した。処分理由について「科学者として決して行ってはならない著しく反社会的な行為をした」などと説明している。

問題の論文は、米国の生化学誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」に7月に掲載された2本で、酵母菌を使ってDNA複製にかかわる酵素の働きを調べたもの。

共著者の助手らがデータ改ざんに気づき、生命機能研究科の研究公正委員会に申告。同科は今年9月、杉野教授が単独で捏造や改ざんをしたと認定し、「懲戒解雇が相当」とする処分案をまとめていた。

杉野教授は処分案について不服を申し立てたが、同大不服審査委員会は「決定は妥当」との結論を出した。これを受けて同大学の理事や学科長らでつくる教育研究評議会が同日懲戒解雇を決めた。

同大学は、杉野教授が02年に同じ専門誌に発表した別の2論文についても不正の疑いがあるとして調査している。

会見した馬越佑吉・副学長(研究推進担当)は、「大学をあげて研究公正の強化に取り組むさなか、大学の名誉と信用をおとしめた」と説明した。

関連記事

阪大教授、ほかにも疑惑──論文データ改ざん

コメント:

仕方ない、というか当然だと思います。


このアーカイブについて

このページには、2006年12月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2006年11月です。

次のアーカイブは2007年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.1